「ジャーナリズムのiTunes」を目指す課金プラットフォームBlendle
             2014年4月にサービスを開始するオランダの課金プラットフォーム「blendle」

2003年4月にアップルが開設した「iTunes Store」は、音楽・映画・ゲーム・アプリケーションなどを扱う、代表的なコンテンツ配信サービス。2013年2月に音楽コンテンツの累計ダウンロード数が250億を超えたことからもわかるとおり、デジタルコンテンツの課金プラットフォームとしての世界的な地位を確立してきました。

そして、「iTunes Store」のような一元的な課金プラットフォームの仕組みをジャーナリズムの領域に応用しようとしているのが、オランダのスタートアップ企業Blendleです。オランダの日刊紙「De Volkskrant」、「Brabants Dagblad」、「BN De Stem」やタブロイド紙「nrc」、総合週刊誌「Nieuws Revu」、週刊ファッション誌「Grazia」、ビューティ雑誌「Beau Monde」ら、オランダ国内の大手メディアと相次いで提携し、いよいよ4月、デジタル記事を対象とする課金プラットフォーム「Blendle」を正式に開設します。

読者のニーズに応えて"記事をバラ売り"

現在、課金型オンラインメディアの多くは個々の新聞・雑誌ごとに独立して開設されているため、読者は、それぞれにユーザー登録を行い、アクセスした記事の数や量を問わず、固定料金を支払う方式となっています。

一方、Blendleは、オランダ国内の主要な新聞・雑誌が集約され、読者が読みたい記事だけ選び、その分だけ対価を支払うことができる、いわば、ワンストップ型の"記事のバラ売り"を実現しているのが特徴。「メディアを問わず、関心のある記事や質の高い記事だけ、買って、読みたい」という読者のニーズに応えるのが狙いです。ちなみに、記事の閲読料金は各メディアによって設定され、記事1本あたり0.2〜0.8ユーロ(約28〜112円)となる見込みです。

デジタルコンテンツを対象とする課金プラットフォームとしては、ポーランド・スロバキア・スロベニアといった東欧諸国で展開している「Piano Media(ピアノ・メディア)」が先行的な事例です。同社では、自社の課金プラットフォームの運営のみならず、その一部の機能をシステムソリューションとして、第三者にも提供。2014年3月、米誌ニューズウィーク(Newsweek)がPiano Mediaのオンライン購読ソリューション「Piano Lite(ピアノ・ライト)」を有料コンテンツプラットフォーム「Newsweek Premier(ニューズウィーク・プレミア)」に導入したことでも話題となっています。

膨大な量のデジタル記事を無料で閲覧できる現在のインターネット環境において、デジタル記事の課金モデルの確立は、けしてたやすいことでないでしょう。しかし、正式なサービス開始前にもかかわらず、約1万6000名のユーザーがBlendleに登録している事実をかんがみると、その実現可能性を悲観視するのは、時期尚早かもしれません。
 

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