サッカー
二宮寿朗「バイエルンとドイツ代表にみる幸せな関係」

 バルセロナで栄光を刻んだジョゼップ・グアルディオラ率いるバイエルン・ミュンヘンが、史上最速のブンデスリーガ制覇に王手をかけている。

 昨季も最速となる28試合目で決めたのだが、今季は25試合目でリーチ。次節、FSVマインツ05に勝利し、2位ボルシア・ドルトムント、3位シャルケ04がともに引き分け以下なら優勝が決まる。
 開幕から23勝2分け、勝ち点71は2位ドルトムントの48を大きく引き離している。現在は17連勝中で、「開幕から25戦不敗」とともに、いずれもリーガの記録を更新中だ。

代表にも見えるペップのエッセンス

 美しくて強く、強くて美しい。
 就任1年目ながら、ペップ(グアルディオラの愛称)の色は十分に浸透している。世界トップクラスのタレントたちがポジションにとらわれることなく、正確にパスをつないでゴールに向かう。ボールを失ったとしても組織的な守りで奪い返し、再び自分たちのボールにしてしまう。そしてまたボール支配を続け、相手の心を折る……。個の強さと組織の美しさがうまくマッチしていて、メンバーを入れ替えても高いクオリティーのパスサッカーを実現させている。ベスト8まで勝ち進んだ欧州CLの2連覇も、現実味を帯びてきたと言っていい。

 そして、ペップが持ちこんだスタイルは、ドイツ代表にも少なからずとも影響を与えている。
 GKマヌエル・ノイアー、DFジェローム・ボアテング、フィリップ・ラーム、MFマリオ・ゲッツェ、トマス・ミュラー、トニ・クロース、バスティアン・シュバインシュタイガー……。

 言うまでもなくドイツ代表はバイエルンのメンバーが中心だ。本来は“不動のサイドバック”であるラームは、バイエルンと同様に代表でも3月5日の親善試合チリ戦では中盤で起用されている。また指揮官のヨハヒム・レーヴは、この試合でMFメスト・エジルを最前線に上げていわゆる「ゼロトップ」をテストした。これはペップの十八番。彼のエッセンスが、ドイツ代表においても見え隠れしているのだ。