政治政策
「骨抜き」公務員制度改革法が可決!大熊利昭衆議院議員が明かす「内閣人事局は絶対機能しない」
大熊利昭衆議院議員は1963年東京都台東区生まれ東京大学理学部卒。大手総合商社勤務時の2008年に国家公務員制度改革推進本部事務局に民間出向。2012年東京第2区から初当選

国家公務員制度改革関連法案が3月14日の衆議院本会議で、自民、公明、民主3党などの賛成多数で可決された。参議院での審議を経て4月中にも法案が成立する見通しである。

政府は法案成立を待って、中央省庁の幹部人事を扱う「内閣人事局」を5月中にも設置したい意向だ。幹部人事の一元化は第1次安倍晋三政権からの課題だったが、霞が関には反対論が根強く、内容は大幅に後退した。

公務員制度改革を強く訴えてきたみんなの党や日本維新の会は対案を出して抵抗したが受け入れられず、政府案に反対した。みんなの党で内閣委員会に所属し、法案審議に携わった大熊利明・衆議院議員に聞いた。

内閣人事局ができても今までと何も変わらない   

---公務員制度改革関連法が衆院を通過しました。

大熊 官僚機構の勝利ですね。2010年に野党だった自民党がみんなの党とともに提出した法案からは大きく後退しましたし、2009年に自民党政権時代に出して廃案になった、いわゆる「甘利法案」と比べても後退している内容になりました。

---政府案ができれば、いちおう「内閣人事局」は設置されるわけですが。

大熊 内閣人事局ができても、今までと何も変わらないと思います。政府提出の法案は、総務省や人事院が持つ人事関連の機能の一部を移管するだけで、人事院などの従来の機能はほぼそのまま温存されます。

そこに内閣人事局が加わるわけですから、従来、三元人事行政体制と批判されていたものが、四元人事行政体制になり、機能不全がますます深まるだけです。みんなの党の対案では、人事院、総務省、財務省の人事関連機能を統合して内閣人事局を創設するとしていました。2010年の自民党案と同じ趣旨です。

---今回の法律が成立すると、幹部公務員を降任できるようになります。

大熊 いわゆる特例降任という規定ですが、一般職のまま幹部の枠内にとどまるので、実際にはほとんど降格はできないでしょう。法律に規定はあっても1件も実際には適用しませんでした、ということになるのではないでしょうか。今後も私たちは、国会質疑でしつこく、特例降任は何人出したかということを聞き続けていこうと思います。

---日本の公務員に対しては、しばしば「省益あって国益なし」と言われ、自分が所属する役所の利益ばかり考えると批判されてきました。600人の幹部公務員を首相官邸が一元管理する意味は大きいのではないでしょうか。

大熊 もちろんそうです。ただ、それを機能させる法律になっていないのです。官僚機構の抵抗の結果でしょう。

例えば、今回の法律で、幹部公務員に対しては適格性審査というものが実施されますが、内閣委員会の質疑でその審査基準を聞いて驚きました。従来所属する組織内の仕事ができているかどうかが審査基準になるというのです。

これでは国全体の事を考える能力や問題意識があるかどうか審査しようがありません。せっかく幹部人事を一元的に行うといっても、従来の基準でやっていたら意味がないでしょう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら