サッカー
JリーグのクラブがACLで苦戦を強いられるのはなぜか!?
レナトのゴールで貴州人和に勝利した川崎フロンターレ 〔PHOTO〕gettyimages

スケジュールがハードなのはJリーグだけではない

UEFAチャンピオンズリーグのアジア版であるAFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)で、Jリーグのクラブが苦戦を強いられています。

2007年に浦和レッズが、2008年にはガンバ大阪がアジアのクラブの頂点に立ちましたが、その後は韓国Kリーグのクラブなどに優勝を譲っています。ここ最近はグループステージ突破にも苦労するほどで、昨シーズンは出場4チームのうち3チームがベスト16入りを逃してしまいました。

ACLのグループステージはアジアを東西に分けて行なわれ、日本は韓国、中国、オーストラリア、タイなどのクラブと相対することになります。そして、今シーズンも結果は芳しくありません。

Jリーグ2連覇のサンフレッチェ広島、同2位で天皇杯優勝の横浜F・マリノス、リーグ戦3位の川崎フロンターレ、同4位のセレッソ大阪が出場していますが、各チームが2試合を終えた段階で勝利は川崎の1勝のみです。4チーム合計で8試合を消化しながら白星がたったひとつというのは、危機的状況と言わざるを得ません。

原因はスタイルのミスマッチにあります。

Jリーグのクラブは、ほぼ漏れなくボールをしっかりとつなぐポゼッションサッカーを志向します。自陣からショートパスをつなぎ、コンビネーションを使って相手守備陣を揺さぶり、決定的なチャンスを作り出す。産業、美術、工芸などにも通じる繊細さは、日本サッカーでも"美意識"として尊ばれています。

アジアの国々は違います。韓国や中国のクラブは、日本ほど攻撃に手数をかけません。自陣からでもロングボールを放り込み、突破力と決定力を持った外国人選手を生かそうとしてくるのです。

ゴールを喜ぶ広州恒大のディアマンティとエウケソン〔PHOTO〕gettyimages

ゴール前にロングボールを供給する攻撃は、守備側からすると分かりやすいところがあります。少なくとも、意表を突かれるところはないでしょう。しかし、執拗にロングボールを入れられ、空中戦の競り合いを何度も強いられると、肉体的な消耗は避けられません。また、ヘディングでクリアしたボールを相手側に拾われたら、二次攻撃、三次攻撃を受けることになります。そのうちに、集中力のキレ目を突かれて失点を喫するというパターンが少なくないのです。

ACLに出場している韓国、中国のクラブは、クオリティの高い外国人選手を揃えています。セレッソ大阪と同グループの山東魯能(中国)には、CSKAモスクワ(ロシア)で本田圭佑の良きパートナーだったヴァグネル・ラブがいます。ブラジル代表経験もある彼は、アジアレベルでは傑出したタレントと言って差し支えありません。また、昨シーズンのACLで中国勢初の優勝を勝ち取った広州恒大は、現役イタリア代表のディアマンティを獲得しました。ここまで2試合で、ディアマンティは早くも3ゴールをあげています。

ACLにおけるJリーグ勢の低迷は、過密スケジュールの影響を理由に語られることが少なくありません。土曜日にJリーグを戦い、中2日で火曜日にアウェイゲームを戦うようなスケジュールは、たしかに肉体的負担も大きいでしょう。しかし、スケジュールがハードなのはJリーグだけではありません。それだけに、スタイルのミスマッチに大きな理由があると、私は考えます。

1点が遠いセレッソ大阪のフォルラン〔PHOTO〕gettyimages
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