【ウェアラブル/IoT元年】 第3のネットワーク端末「コネクテッド・カー」を読み解く〔3〕
~グーグルの切り札、コンチネンタルのクラウド・カー~

コンチネンタル社のBrian Droessler氏(VP, Software & Connected Solutions)

〔2〕はこちらをご覧ください。

数年前、グーグルが開発したGoogle Carは、世界初のセルフ・ドライビング・カー(自律制御運転車両)として最先端を走っていた。技術的な優位を背景に同社は積極的に大手自動車メーカーとライセンス交渉を展開した。しかし、日韓欧米の大手メーカーでグーグルと手を組むところは現れなかった。自動車業界へのグーグル参入を極度に警戒したからだ。

メーカー提携が難しいと見たグーグルは交渉相手を拡大し、ついにドイツの大手自動車部品メーカー「コンチネンタル(Continental AG)」との提携にこぎつけた。一方、2013年に入り、競争相手のアップルは、電気自動車の大手テスラモーターズの買収交渉を進めている。トヨタやパナソニックが出資して支援するテスラを手に入れれば、アップルは一気に自動車業界への参入を果たす。

自動車メーカーに追いつかれ、アップルが正面戦争を準備する中、グーグルはクラウドを武器に自動車業界に参入できるのだろうか。

2020年、ドライバー・レス・カーの部品供給を狙う

グーグルがコンチネンタルと提携したニュースは注目を浴びた。しかし、同開発プロジェクトは、米国でもほとんど紹介されていない。

そうした中、13年2月末、コンチネンタル社のブライアン・ドレスラー氏(VP)は、ネバダ州ラスベガス市で開催されたIBMのクラウド会議に登壇。グーグルと開発中のセルフ・ドライビング・カーについて、その概要を語るとともに、IBM技術を使ったクラウド連帯も発表した。

コンチネンタル社、自律制御運転カーの実験風景

自動車好きの読者ならコンチネンタルと聞いて、ブロック・パターンのタイヤを思い浮かべる方も多いだろう。1871年創業の同社(ドイツ、ハノーバー市)は、世界5大タイヤメーカーのひとつとして知られている。

しかし、同社は90年代後半から電子制御ブレーキやカーエレクトロニクス、車載電子部品メーカーなどを次々と買収し、現在では自動車の足回り全般を提供する大手部品メーカーに成長している。2012年の売り上げは327億ユーロ(約4兆6,000億円)で、日本のデンソーよりもひと回り大きな総合自動車部品メーカーだ。そして更なる躍進を目指し、コンチネンタルは2020年を目標にセルフ・ドライビング・カーの開発に取り組んでいる。

Google Carといえば、レーザー・スキャナー(車の上に付けた丸い円筒)が有名だ。しかし、同スキャナーは高額なため、現在は車体の周りに複数のカメラやレーダーを搭載する形式が一般化している。コンチネンタルが紹介した実験車両でも、レーザー・スキャナーは見当たらなかった。

ブライアン・ドレスラー氏(VP)のプレゼンテーションによれば、既に一般車道でハンドルを離して走行できるレベルに達している。米国のNHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)は自律運転制御を5つの段階に分けて分類している。レベル0は車線逸脱アラームなどの警報システムがついていても、運転自体はすべて人間が行う段階。一方、レベル4は車両が出発地から目的地まで人の手助けなしで走行する完全自律走行を意味する。

コンチネンタルの実験車両は、レベル2の「ハンドルやアクセル等少なくとも2つの支援システムが自動的に協調制御される。運転者が同時にハンドルとアクセルを離すことができる」に達している。同社は2020年をめどに、自律運転システムを自動車メーカーなどに販売してゆくことを狙っている。

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