「農業で雇用と交流人口を増やしたい」 人生を変えた小さな黄色い花---小野政道(小野花匠園・宮城県南三陸町)

小野政道氏(小野花匠園代表取締役)

東日本震災を越え、経済やコミュニティの復興に挑む人々。様々な社会課題を解くその姿は今、人口流出や高齢化、産業の地盤沈下などに悩む日本の他地域にも羅針盤を示すものとなっている---。

東北から起ちあがる100人」を順に紹介する連載コラム第2回は、宮城県南三陸町「小野花匠園」代表取締役、小野政道氏(34)。

農家に夢はなかった。それより東京に行きたかった

菊花とトマトの栽培を主とする専業農家に生まれ育った小野氏は、高校卒業と同時に家を飛び出した。

「両親が大変そうなのを間近に見ていたし、農家に夢はなかった。それより東京に行きたかった」

すらっとした長身に茶髪の今風のイケメン。4年間、東京でフリーターのような生活をし、その後、実家に戻りはしたものの、父と共に「ごくごく普通の菊やトマト」を淡々と育てる日々を過ごしていた。

農協の枠組みを離れ、市場での競りでなく自身で直接の販路を開拓する新しいタイプの農家に関心がないわけではなかった。実際、ノートの切れ端にそんな夢を綴ったこともある。ただ、すべてを賭け、他人も巻き込むほどのリスクを取る気持ちはなく、自分と家族がカツカツ食べていければいいと思っていた。そんなとき、あの震災が起こった。

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