中国
全国人民代表大会を締めくくった李克強首相の記者会見一問一答
〔PHOTO〕gettyimages

3月13日午前10時半、李克強首相が、全国人民代表大会を締めくくる年に一度の記者会見を、人民大会堂で最も煌びやかなゴールデンホールで開いた。約1時間50分にわたり、強調したいところは踏み込んで述べ、そうでないところは言葉を濁したが、全体的に率直でエネルギッシュな会見だった。

李克強首相は、かつて産経新聞に「言うだけ番長」とのニックネームをつけられた前原誠司元民主党代表に雰囲気が似ているといつも思うのだが、彼の最大の魅力は、率直でエネルギッシュなことだ。

1時間50分の会見では、何度も「習近平総書記の指導のもとに」と言って習近平総書記に気を遣う場面が見られた。その反面、一度も「社会主義」「中国の夢」という、いわゆる「習近平用語」を使わなかった。これは、李首相の矜持の表れだというのが私の推測だ。

また、本人も言っているように「農民宰相」(農民出身の首相)の面影を感じさせる場面もあった。

以下は、記者との一問一答の抜粋である。

「債務リスクはコントロール可能な範囲内だ」

(アメリカのテレビ局)マレーシア航空の事故でどんな処理をしているのか?

李克強首相: 239名の乗客のうち、154人が中国人だった。現在、9隻の艦船と10個の衛星とで行方を捜索中だ。昨日、最前線の捜索船の船長と話したが、最善を尽くして捜索活動にあたるとのことだった。今回は国際的な大捜索となっているが、最後の最後まで諦めずにやる。また、安全対策も強化する。

(フィナンシャルタイムズ)国際市場は中国の金融と債務問題を非常に注視していて、これが世界経済の最大のリスクの一つとなっている。この問題に政府としてどう対処しているのか。また金融商品の違法問題の状況はどうなのか。

李克強首相: 中国経済のリスクやマイナス報道については、最近私も目にしている。こうした報道はどれも大同小異で、昨年の時点ですでに中国経済が下向くとの懸念が示された。だがそのような圧力のもとでも、わが国は昨年の経済成長目標を達成したではないか。

金融と債務問題に対しては、われわれも常に目を光らせていて、昨年、経済の下方圧力が強まるにつれ、勇気をもって全面的な債務の見直しに着手した。調査の結果は先に公表した通りだ。債務リスクはコントロール可能な範囲内だ。そうはいっても軽く見ているわけではなくて、現在基準を改めているところだ。「正門は開放し、裏門は防ぐ」という形にする。

シャドーバンキングのリスクに関しては、いままさに規制を強化しているところで、スケジュールもすでに出して、バーゼルⅢの規定に合わせた監督管理を行っている。今回、銀行界の代表者の一人が私に、「銀行の資本比率の要求が高すぎるのでは?」と言ったが、われわれは発展途上国であり、そのようにするしかないのだ。足置き場が通行の邪魔になってはいけない。

また、違法な金融商品に対しては、ある特定の範囲やシステムにリスクが生じないようにするため、監督を強化し、適切に処理していく。

(人民日報)現在、上流社会は反腐敗運動を嵐のようなものだとして恐れている。昨年も少なからぬ腐敗官僚を摘発したが、これは制度上に何か問題があるということではないのか? また今後の反不敗運動で新たな措置を取るのか。

李克強首相: 党と政府の反腐敗の意思は一貫している。第18回党大会以来、習近平同志を総書記とする党中央は、「貪れば必ず正し、腐れば必ず罰する」を堅持し、成果を挙げてきた。今後もこの方針は変わらない。

腐敗に関しては、「ゼロ容認」だ。中国は法治国家であり、何人であれ、職位の高低によらず、法律は万人に平等だ。党規や国法にもとれば、党紀国法に基づいて厳正に調べ、処罰する。

腐敗は人民政府の敵だ。われわれは法治制度に基づいて権力と公金を管理している。今年も引き続き「簡政放権」(政府を簡素化し権力を放出する)を進めていく。情報公開を進め、権力の限度を定めて職権濫用を防ぐ。

他に、社会の関心が高い政府の土地の払い下げ金なども全面的に審査する。

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