企業・経営
なぜマツダは復調したのか。社運を賭けたメキシコ新工場に、その秘密があった
2月27日、メキシコのエンリケ・ペーニャ・二エト大統領(右)も出席してマツダ・メキシコ工場の開所式は行われた。山内孝会長は「構造改革のスタート地点にしたい」と言う            (筆者撮影)

今年1月の経常赤字が単月としては過去最高の1兆5890億円になったと新聞等で大きく報じられている。その主な要因は、輸出が伸び悩んでいるのに対して、エネルギーの輸入が増えていることなどによるものだ。

これまで輸出に貢献して外貨を稼いできた自動車産業も大きく構造改革を進めており、いくら円安になっても輸出は増えない構図になりつつある。筆者はこれまで、本コラムで「円安に安住するな」といった内容のコラムを何回か書いてきたが、敢えて今回も円安によって日本の製造業が国内に回帰する、あるいは競争力を取り戻すと考える安易な考えは捨てた方がいいといったことを書く。

海外生産増強へ約7億7000万ドルを投入

マツダは今年1月、社運を賭けたプロジェクトとして、同社最大の海外生産拠点となるメキシコ工場の稼働を開始。2月27日に実施したメキシコ大統領も出席した開所式での記者会見でマツダの山内孝会長は「円安になったから国内生産して輸出した方が儲かるとは毛頭考えておりません」と語った。

これまでマツダは広島県宇品工場や山口県防府工場で生産した乗用車を海外に輸出して稼ぐビジネスモデルを取ってきた。資本力が弱いゆえに、海外への投資は慎重で、トヨタやホンダが資本力にモノをいわせて海外に大工場を造ってきたのとは対照的な動きを見せていた。

そのマツダが、約7億7000万ドルを投じてメキシコに新工場を建設、海外生産の増強に舵を切った。合弁を除くマツダ主導での海外工場新設は実に27年ぶりだ。高歩留りマルチプレス加工(廃棄部分が少ない加工方法)や塗装方法など工場の設備やノウハウも日本と変わらない最新のものを全ラインに導入している。

メキシコ工場のライン(筆者撮影)

今年1月から「マツダ3(日本名アクセラ)、来年からは「マツダ2(日本名デミオ)」の生産を始め、フル稼働となる2015年度中に年間23万台を造る計画だ。

稼働率を向上させるためにトヨタとも業務提携し、23万台のうち5万台の「マツダ2」をトヨタに供給、トヨタがデザインなどを変更してトヨタのマークを付けて米国向けに出荷する。

エンジン工場も併設しており、マツダ最新鋭の「スカイアクティブエンジン」も現地で生産する。エンジンの材料となるシリンダーブロックなどの素形材も現地調達する。

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