カイジ「勝つべくして勝つ!」働き方の話
【第6回】身にかかる火の粉を、自分でどこまで払えるか
~物事の結果を決める、内的需要と外的需要~


漫画『賭博黙示録 カイジ』とは?

自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとう・かいじ)。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして・・・。

(作者:福本伸行 講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年11月号~1999年36号まで連載された作品)


【第5回】はこちらをご覧ください。

東日本大震災から丸3年が経ちました。

この3年で解決したこと、解決しなかったこと。変わったこと、変わらなかったこと---。ぼくたちが向き合うべき問題はまだたくさんありますが、それでも、震災をきっかけとして、この3年間、より良く生きていこうと考え、行動してきた人がたくさんいることも事実だと思います。

3月11日には、テレビでもネットでも「震災を生き延びる」というテーマで、様々な情報が流れていたので、多くの方が震災を自分のこととして受け止めたと思います。

この日はぼくも、今、自分に何ができるかということをあらためて考える時間を持ちました。

緊急時にはどんなものが必要になるのか
避難セットの中には何を入れておけばいいのか
離れ離れになった家族と、どうやって連絡を取り合うのか
津波が来たらどうやって逃げればいいのか
地震が来たら家や車をどうすればいいのか

さまざまな情報が大量に流れていましたが、それを見ていて「これをやっておけば絶対に大丈夫という答えはやっぱり無い」ということも感じました。

震災に限らず、どんなことに関してもそうだと思います。世の中には本当に多くの「答え」があり、それぞれに、それぞれの「正しさ」があります。ぼくらが手にできる情報がどれだけたくさんあっても、起こりうるすべてのケースを想定し、準備をするのは到底無理です。テレビや新聞で専門家が言うとおりにしていても必ず生き残れるわけではないのです。

たとえばぼくは、小麦アレルギーです。「非常食」として一般に配布されるような「カンパン」や「カップラーメン」を食べることができません。しかし「小麦アレルギーの人が災害時にどうやって生き延びるか」というニッチな情報は、テレビなどでは放送されません。でもぼくにとっては、そのときに何を食べるかは死活問題なのです。だからぼくは、自分で調べて、自分で考えて、準備するしかないのです。

世の中の情報には必ず不十分な点があります。なかには間違っているものもあるかもしれません。それをふまえたうえで、自分がどの情報を「正しい」と考え「採用」するかの責任は、すべて自分にあるのです。

つまり、生き抜くための「戦略」は、自分自身で作っていかなくてはいけないということです。災害時だけでなく、命をかけた決断は自分の責任でやっていかなくてはいけないというのが、誰にとっても人生の真実です。

今、ぼくたちに必要なのは、正確な知識以上に、自己責任で生きていくという考え方と「それでも想定外のことが起こったら仕方がない」と肚をくくる勇気なのではないかと思います。

世の中の出来事には、自分の力で変えられることと、自分の力ではどうしようもないことがあります。地震を世界からなくすことは誰にもできないけれど、災害に備えて最良の準備をすることはできます。

変えられることに対しては最善の努力をしつつ、変えられないことは冷静に流れを見定める。それがぼくたちにできる、よりよい「戦略」なのではないかと思います。今回は、自分の戦略を持つために必要な「内的需要」と「外的需要」について説明したいと思います。

物事の結果はどうやって決まるか?

一生の安定を得るために、いい大学に入り、いい会社に就職する。そして、会社でさらにいい評価を得るために、資格の勉強をしたり、セミナーを受けたりしているという人も多いことでしょう。しかし、大半の人が、大事なことを見落としています。

それは、結果を決めるのは、自分の能力だけではない、ということです。もうひとつ、自分の外にある「外的要素」も結果を左右する大事な要素の一つです。

物事の結果は、

・内的要素(個人の能力、やる気、意識など)
・外的要素(環境、景気、世間の空気など)

で決まります。

これらはちょうど車の両輪と一緒で、どちらか片方だけが充実していても、望む結果にたどり着きません。

個人の能力だけ磨けば、望む結果が得られると思っている人が多いのですが、個人の力を充実させても、できることには限りがあります。そこでプラスして、外的要素にも目を向けなければいけません。つまり、その時の環境や景気、空気、流れに沿った行動をしなければいけないということです。

たとえば、インターネットがアナログ回線しかなかった時代、YouTubeは、いいビジネスモデルには成り得ませんでした。20年前に、GREEやモバゲーは絶対に生まれません。いくら優秀な起業家が手がけても、いいビジネスモデルでも、外的要素がマッチしていなければ、結果は出ないんです。

逆に、それまでは絶好調だったビジネスであっても、環境の変化によって一気に衰退します。世界一の写真フイルムメーカーだった、イーストマン・コダック社は、デジカメの普及により廃業に追い込まれました。ソニーやパナソニックなど、かつて日本のお家芸だった"モノづくり"の企業も、新興国の企業が超低コストで生産できるようになってからは、かなりの苦戦を強いられています。

これらの会社の能力が低下したわけではありませんし、もちろん社員が怠けているわけでもありません。個人として、組織としての能力が変わらないのに、外的要素が変化したことで、結果が変わってしまったのです。

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