メディア・マスコミ
長編記事でも没頭してしまう? 海外のイマーシブ・ジャーナリズム事例5選
イマーシブ・ジャーナリズムの代表例「Snow Fall」

2012年12月20日、ニューヨーク・タイムズが「Snow Fall(スノーフォール)」という長編の特集記事を公開した。マルチメディアを駆使して、ワシントン州のカスケード山で発生した雪崩事故を報道したものだ。

今後のジャーナリズムのあり方を考える上で参考になるであろうこの記事は、同年4月にピュリッツァー賞(特集記事部門)を受賞。そのストーリーはもちろんのこと、手法も話題を呼んだ。

ソーシャルメディアが普及し、情報過多になりつつある中で、ニュースキュレーションやニュース要約のニーズも高まっている。

このような状況下で、(特に長文)コンテンツに没頭してもらうにはどうすればよいのだろうか。この記事では海外において、イマーシブ(没頭型)と形容されるジャーナリズム事例を5つほど見ていく。最後には、国内の事例についても触れたい。

山の様子を立体的・動的に見ることができる

1. Snow Fall(The New York Times)

冒頭で触れた、ニューヨーク・タイムズによる「スノーフォール」。2012年12月20日の公開から一週間で、290万訪問数、350万ページビューを記録した。

More than 3.5 million page views for New York Times’ ‘Snow Fall’ feature

写真や動画、スライドショー、CG、地図、3D表現、音声などあらゆるマルチメディアをふんだんに取り入れている。6つのチャプターに分かれているほどの長文記事だが、実際に多くの人に読まれていることから、オンラインメディアにおける新しい体験を提供することができたと言えよう。

一方で、16名のチーム編成(写真/動画制作/リサーチ/デザインなど)で半年間かけて作成されたことから、金銭や時間のコストは多くかかっている。もちろん、様々なスキルを持ち合わせたチームで一つの特集に取り組むことで、ウェブアプリのようなコンテンツ体験を生み出していくことには意義が感じられる。

jQueryやHTML5を用いて視差効果(パララックス)を取り入れたスノーフォールの作り方や裏話などは以下の記事に詳しいので参照されたい。

How We Made Snow Fall

当時のニューヨーク・タイムズは、新しいジャーナリズムやストーリーテリングの実験的な記事として公開した。このマルチメディアを駆使した手法は以前からも存在したが、スノーフォールの公開後には、続々と増えていった。

The long, Strange trip of Dock Ellis(ESPN)
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