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スピルバーグにも影響を与えた 特撮の元祖にして、最高傑作! 世界一有名な怪獣ゴジラを語ろう~宝田明×佐野史郎×中野昭慶
週現 『熱討スタジアム』第97回
〔PHOTO〕gettyimages

日本中、あらゆるものを壊してきたゴジラ。でもこの怪獣は悪役じゃない。ゴジラの行動には、人間の愚かさ、そして残酷さへの確かなメッセージがあった。

最初はキワモノ扱い

佐野 ゴジラを初めて観たときの衝撃は忘れられません。『キングコング対ゴジラ』が最初だったんですが、僕は当時、小学校2年生。氷山の中から現われたゴジラは衝撃でした。日本の象徴である富士山で、アメリカのモンスター映画から現われたキングコングと神獣ゴジラが戦う。一作目の『ゴジラ』は小学校高学年にテレビで観ました。モノクロの映像に、余計に言いようのない恐怖を覚えました。映画というより、ドキュメンタリーフィルムのようで。

宝田 ゴジラの第1作目は'54年、日本が戦争の痛手からようやく立ち直り始める時期に製作されました。第1作の観客動員数は、960万人。当時日本の人口は8800万人ですから、国民の11%が観たという計算です。『特撮の神様』円谷英二がつくり出した実写さながらの映像は、観客を大いに唸らせた。

佐野 '54年は、黒澤明監督の『七人の侍』が公開された年なんですよね。

中野 しかし『七人の侍』に比べ、ゴジラの映画評論の多くは「キワモノ」などとボロクソ。ゴジラとは何なのか。当時の専門家はその真の意味に気づいていなかったのでしょう。

佐野 賛辞を贈ったのは、三島由紀夫と、巨匠・小津安二郎監督くらいだったと聞いています。