経済の死角

3・11から3年
どんどん濃縮される「汚染水」
どんどん忘れる「日本人」

2014年03月11日(火) 週刊現代
週刊現代
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タンク1つにおよそ1000tの汚染水が詰まっている〔PHOTO〕gettyimages

一喜一憂すべきとは言わない。前を向くことも必要だ。だが、日本人はあまりにも、放射能の危機に慣れきってしまったのではないか。「あの日」の私たちが3年後の日本を見たら、何と言うだろう。

汚染水より五輪に夢中

「もう、震災は終わったんです」

宮城県仙台市青葉区、東北最大の繁華街・国分町。飲食店に勤める30代の女性は、そう言って笑った。

「今になってもあの時の話をする人は野暮ですよ。お客さんの入りは、すっかり震災の前と変わりません」

あの「3月11日」から、まもなく3年が過ぎようとしている。

復興需要は衰える気配を見せない。青森県や山形県、宮城県では、高校卒業者の内定率が高水準を記録している。建設・土木関連企業は東日本を中心に好業績を維持。被災地の復興がひと段落したら、このまま2020年の東京オリンピックへとなだれ込むぞ—そんな声が日本のあちこちから聞こえてくる。

一方で、東日本大震災の発生直後から福島県に入り、放射線量測定や除染で今なお県内を走り回る、獨協医科大学准教授の木村真三氏はこう言う。

「福島県内で講演をすると、いまだに『洗濯物を外に干してもいいんでしょうか』『外に出るときは、マスクを付けたほうがいいんですか』といった質問をよく受けます。専門家もメディアも頼りにならない。誰の言うことを信用していいのか分からない。手探り状態のまま、福島で暮らしてゆくほかないという方が、まだたくさんいるんです。

原発に対する日本人の危機感は薄れてゆく一方ですが、福島県民は今も、不安の中で生きています」

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