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40億円のシャンデリア、庭に動物園、金ぴかトイレ ヤヌコビッチ御殿のウクライナ前大統領「財宝」目録
金とクリスタルで目がくらみそうなシャンデリア〔PHOTO〕gettyimages

広さは東京ドーム30個分

まるでセール会場のオープンを待ちわびるかのような人だかりだ。午前9時になると門が開き、人々はきらびやかな「夢の跡」を目にしようと我先になだれ込んでいく。

反政府デモの広がりから、政権崩壊にいたったウクライナ。失脚したビクトル・ヤヌコビッチ前大統領の邸宅が2月22日より一般公開され、毎日数千人のキエフ市民が見物に訪れる騒ぎになっている。今までほとんど人通りのなかった周辺の道路も大渋滞だ。

邸宅があるのは、キエフ中心部から15kmほど北上したドニエプル河沿い。政権転覆前は、高い塀と厳重な警備にはばまれて、一般市民が中の様子をうかがい知ることはできなかった。当時の使用人や出入り業者は、中の様子を撮影しないように入り口で携帯電話を取り上げられるほどの厳戒ぶりだったという。

豪華さはまさに「皇帝」級で、総面積は140ha(東京ドーム30個分)もある。屋敷を囲むように池が7つあり、庭には古代ギリシャの遺跡を模した石像や石柱が散らばっている。

豪邸公開にこぞって押し寄せる市民の様子を、現地メディアは次のように報じている。

「豪勢な暮らしぶりに憤慨する市民もいるが、女性たちは『素敵な撮影スポット』を探しては記念写真を撮りまくり、子供はたくさんの動物を見つけて大はしゃぎだ。大統領専用のカラオケセットで歌いだす男たちもおり、汚職御殿はいまや『ウクライナ・ディズニーランド』と呼ばれている」

屋敷は山小屋風〔PHOTO〕gettyimages

ヤヌコビッチは大のカラオケ好きで知られ、パーティの夜には決まってカラオケ大会になったという。途中でマイクが壊れたため、真夜中に使用人が買いに走らされるなどということもあったらしい。

屋敷は上部3階が木造で山小屋風、下部の2階が大理石をふんだんに使用した石造りという凝った折衷構造。ガラス張りのベランダにはジャクジーがあり、泡風呂にゆったり浸かりながら、池の噴水や優雅に泳ぐ白鳥を眺められるという趣向だ。

訪れる市民が一様に息を呑むのは、金とクリスタルの巨大シャンデリアである。屋敷から撤収する際、関係者が捨てたとみられる会計文書から、シャンデリアに対する支払いが総額約3000万ユーロ(約40億円)に上ったことが明らかになっている。

他にもカーテン8万ユーロ(約11万円)、動物用のネームプレート1万ユーロ(約102万円)、イノシシの置物11万5000ユーロ(約1200万円)、観賞用の魚の飼育費1000ユーロ(約10万円)といった無駄使いを裏付ける領収書が押収されている。

「独裁者は金を好む」というのは、古今東西変わらぬ真実だ。ヤヌコビッチもその例にもれず、時計、燭台、蛇口、トイレの便器の足まで金ぴかだ。他にも純金製の500フリブナ紙幣(500gの純金製で、市場価格は約200万円)、自らの肖像が刻印された金メダル、原寸大のパンの形をした謎の金塊オブジェまでが見つかった。

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