経済の死角
2014年03月11日(火) 石田和靖

サスティナブルな社会の大いなる実験場、アラブ首長国連邦「マスダールシティ」

マスダールシティの公共交通機関は無人運転電気自動車だ

”Leaning to change the world”

マスダールシティ内部では、無人運転の電気自動車に乗るのだが、これはまさに「ドラえもん」の世界だ。到着地データがインプットされたiPADみたいなものがあり、行き先のボタンを押すと、ドアが自動で締まり、線路のない普通の道路を自動的に走って行く。障害物を認識するとスピードが勝手に緩まったり、止まったり。まるで運転手がいるかのような、不思議な体験を味わうことができる。しかしこの車には運転手がいない。これがもし全世界的に実用化されたら世の中の運転手と呼ばれる職業はどうなってしまうのか? 非常に大きなイノベーションである。

また、自然の風が街全体を冷気で覆い尽くすよう、建物すべてに工夫が凝らされている。同じアブダビ市内にありながら、シェイク・ザイード・グランド・モスクと、ここマスダールシティとでは、気温差が10度近くもある。風が通りやすい流線型を中心とした設計や、建物間の距離を狭めて日陰を多く作ったり、またウインドタワーと呼ばれる上空の風を冷気に変えて地面に吹き付ける仕組みを取り入れたり、人工エネルギーを極力使わず、自然の原理を利用しながら住みやすい環境を作る試みがあちこちに。すべての建物に太陽光パネルが搭載され、緑化建築規制が課される。すべてが完成したら、中東地域は間違いなくこの分野で世界の中心になるに違いない。

マスダールとは「源泉」という意味だ。自然の源にあるものをフル活用して、サスティナブル(持続継続性のある)な社会を作ることをミッションとしている。マスダールシティの入り口に掲げられた合言葉は、「Leaning to change the world」。この街を見ると、この地域が世界を変えることも十分に起こりうるだろうと思えてくる。

 

石田和靖(いしだ・かずやす)
株式会社ザ・スリービー代表取締役/ワールドインベスターズTV 総合プロデューサー/日本証券業協会 公益委員/越境会 会長/ ハラルニュース副編集長/中東アジア地域を中心にイスラム圏渡航経験多数。世界経済・投資・ビジネスに関するメディア"ワールドインベスターズTV"を運営。世界の真の情報や人脈、機会を共有するメンバーシップ"越境会"を運営。『越境せよ!』(講談社)『オイルマネーの力』(アスキーメディアパブリッシング)『新興国投資まるわかりガイド』(日本実業出版社)『ドバイ株投資完全マニュアル』(パンローリング)など海外のビジネスや投資に関する書籍多数。テレビ・ラジオ出演多数、雑誌記事連載・掲載多数。

著者:石田和靖
越境せよ!
(講談社刊、税込み1,470円)
日本人だけが知らない驚きとチャンスに満ちたワンダーランド。ボーダレスワールドは、若者・個人・中小が主役になる。閉塞した人生を逆転させる新・成功の方程式! 体験的30代から人生を変える45の教え。

amazonこちらをご覧ください。

楽天ブックスこちらをご覧ください。

3
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS