経済・財政 中国
全人代の主役は習近平ただ一人!? ウクライナ情勢の陰で急速に進む中国の「小さくて大きい変化」
〔PHOTO〕gettyimages

「改革・夢想・担当」が大会スローガン

世界を揺るがすウクライナ情勢に隠れて、すっかり影が薄くなってしまったが、3月5日から、年に一度の全国人民代表大会が、北京の人民大会堂で始まった。全国の代表2983人のうち、2932人が参加した。北京に、年に一度の「政治の季節」到来である。

昨年3月の全人代は、習近平主席や李克強首相ら首脳人事を決めるための大会だったので、実際は今年が習近平・李克強政権の「色」を出す最初の大会となる。

大会のスローガンは、「改革・夢想・担当」だった。「改革」は李克強首相の好きな言葉で、「夢想」は習近平主席の好きな言葉だ。だが国民にも義務を「担当」してもらいますというわけだ。

初日朝の開会を告げる李克強首相の「政府工作報告」の前に、異例の「儀式」が織り込まれた。全員が起立しての黙祷である。3月1日に新疆ウイグル独立派と見られるテロリストたちが、昆明駅で29人を無差別に殺害した事件に対して、哀悼の意を表したのだ。

この時、2932人の代表のうち一人だけ、起立もせず黙祷も捧げなかった。新疆ウイグルから来た代表である。のっけから中国の複雑な民族問題を象徴するようなシーンだった。

続いて、李克強首相が初となる「政府工作報告」を行った。例年通り、2013年の総括、2014年の予定、重点項目の3部構成から成る1時間47分に及ぶ演説だった。

私はこの演説を、中国中央テレビのインターネット放送で見た。李克強首相は58歳と若いので、溌剌として力強いのだが、内容はそれほど特徴ある濃密なものではなかった。

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