毎日フォーラム~毎日新聞社

対策強化に鳥獣保護法改正へ
「保護」から「管理」へ転換 捕獲専門事業者認定も[鳥獣被害]

2014年03月23日(日) 毎日フォーラム
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増え続けるニホンジカによる農作物の被害が深刻になっている=福井県敦賀市で13年10月(敦賀市提供)

環境省が今国会で、鳥獣保護法の改正を目指している。野生のシカやイノシシが全国各地で増え続け、農作物や貴重な生態系への食害などが目立つようになったからだ。こうした鳥獣については、従来の「保護」を中心とした対策から、積極的な捕獲も含めた「管理」への転換を図る。法律の正式名称も「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」から「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に改称する。増え続ける野生鳥獣対策は待ったなしだが、実効性を持たせるには、人材の育成や省庁の縦割りを排した体制構築も求められる。

環境省などによると、2011年度のニホンジカ(北海道を除く)の生息数は261万頭、エゾシカは64万頭、イノシシは88万頭と推計された。ニホンジカはこの20年間で9倍近く増えた。11年度の捕獲数は約27万頭で、捕獲率が現状のままだと25年度に約500万頭に達すると見込まれる。

野生鳥獣による農作物の被害は09年度以降、年間200億円を超す。11年度は226億円で、シカが83億円、イノシシが62億円と全体の6割以上を占めた。

シカの食害は森林や貴重な生態系への影響も深刻で、全国に30カ所ある国立公園のうち20カ所で被害が確認されている。

農林水産省は今年度、鳥獣被害防止総合対策交付金として95億円を計上した。都道府県や市町村の支出も加えれば、毎年相当額が被害対策に投入されているが、抜本的な解決にはいたっていない。

野生のシカやイノシシはなぜ増えているのか。シカについては明治期の乱獲を反省し、長く保護政策がとられてきたこともあるが、いずれにせよ人間の活動の変化が結果として影響している。

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