社長の風景

ビームス 設楽洋社長「店作りの際、データは参考にしない。空き物件を見ていて、お客様と店員が楽しく話している『絵』が浮かんできたら、それに従うのです」

2014年03月13日(木)
週刊現代
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'76年に『ポパイ』などのファッション誌創刊と時を同じくし、原宿にオープンしたセレクトショップ『BEAMS』。浮き沈みの激しいファッション業界で38年の歴史を持ちながらも、いまだ「流行」の先端を走り、オヤジから若者にまで愛される稀有な企業だ。設楽洋社長(62歳)に経営の秘訣を聞くと、彼は「洋服屋にならないこと」と謎めいたことを言う。


店作りの際、データは参考にしない。空き物件を見ていて、お客様と店員が楽しく話している「絵」が浮かんできたら、それに従うのです。したら・よう/'51年、東京都生まれ。'75年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、電通入社。SP(セールスプロモーション)局で活躍し、広告電通SP賞などを受賞。'76年に、父・設楽悦三の立ち上げた「BEAMS」に参加する。東京・原宿で6.5坪の「AMERICAN LIFE SHOP BEAMS」をオープンし、'88年に社長就任、以来現職 ※ビームスのwebサイトはこちら

元気な理由

今の50~60代は、昔の50~60代と違って感覚が若いですよね。理由は「選べる時代」に育ったことでしょう。思春期に洋画やアメリカのホームドラマが入ってきて、ジーンズやVANのジャケットが流行るなど、自分のスタイルを試行錯誤された方が多いんです。初めて、情報と選択肢がある世の中で育った世代だから、今も自分に似合ったモノを見つけられるのだと思います。

文化の提案

最初は6・5坪の小さなお店でした。父が会社を経営していたのですが、オイルショックで多角化を余儀なくされ、八百屋さんだった建物の一角に、アメリカの雑貨を扱う店を開いたんです。お金がないから、内装は手作り。UCLAの男子学生の部屋をイメージし、テーブルやスニーカーやTシャツを並べました。しかし今思えば「モノでなくライフスタイルを売る」という生活文化提案型のお店のはしりでした。しばらく、商品が売れたら買い出しに行く、という経営を続けていましたが(苦笑)、次第に洋服が売れ始めたため、ファッションの店になっていったんです。

一芸の達人

弊社の社員の半分はマネジメント型の、きっちりした人です。しかし半分は、たとえば「ロッククライミングならプロ並み」といった一芸の達人たち。現在は、モノと情報があふれすぎていて、ユーザーは商品を選びにくい時代です。だから一芸の達人である店員の周りに、夢中なことを共有するお客様が集い、モノや情報を紹介する、という店づくりをしています。いまでも弊社は、服でなくハッピーライフを売る企業なんです。

青春 サーフィンを楽しむ20代の設楽氏。いまも南の島に行くのが好きだが、「時間が無く、毎日睡眠時間は5時間ほど。なかなか行けません(苦笑)」とか

38年目

原宿だけでもBEAMSが10店舗並んでいますが、すべてコンセプトと客層が異なります。非効率的に見えますが、それが、30年以上、業界のいい位置にいられた理由の一つなんです。仮にBEAMSがひとつのブランドだけを扱う店だったなら、流行と離れる時期もあり、また時代が巡って自分達の流れが来るまで待たなければならない。でもBEAMSはセレクトショップですから、いつも、何らかの流行に片足を乗っけていられます。歴史としては、桑田佳祐さんやユーミンなど、息の長い芸能人の方と似ているかもしれません。いつも変化しながら、その時代に合ったものを届けるんです。

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