アベノミクスは海外投資家から見捨てられたのか
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「いわゆる『アベノミクス銘柄』は売られ始めましたね。海外勢と見られる投資家たちが旺盛に買い始めているのはむしろ素材系など我が国を代表する技術に関連した銘柄です」

2月末になるとそんな声が、精緻なデータ分析を行うことでマーケットでは定評のある向きから私のもとに届き始めた。ここでいう「アベノミクス銘柄」とは、要するにこれまで第二次安倍晋三政権が励んできた円安誘導によって裨益を受ける株式銘柄を指す。

ところがこれまで米欧が甘受してきた「円安」も徐々に綻びが見え始めている。それもそのはず、そうやすやすと円安に誘導され続けてしまっては米欧からすると自らの対日輸出が不利になってしまうからだ。

いくら「20年余り平成バブル不況でした」と強弁したところで、円安誘導による近隣窮乏化策をいつまでも認めるほどの余裕は米欧にもはや無いのである。したがって米欧からは「これまで円安にしてやったのだから『倍返し』してもらう」ということに必ずなってくる。

ヘッジファンドや投資銀行たちはそのことを事前に察知して逃げ始めたのである。そうした中で、そもそも国際展開力のある我が国の屈指の技術を抱える企業が選ばれ、為替レートとは直接関係が無い形でその株式が盛んに買われるようになっているというわけなのである。

「デフォルト処理」を始めることは許されない!?

「アベノミクスは見捨てられた」---そう、マーケットでは語る向きが多く、またそうした論調をマスメディアが面白がって増幅している。だが、私の目から見るとこうした意見こそ、まったくもって事情を知らない素人考えに他ならないのだ。

なぜならば、こうした議論を述べる者は必ずこう言うからだ。「異次元緩和やそれに伴う円安誘導で生じた日本株高までは良かったが、結局、安倍政権は『成長戦略』を打ち出していないではないか」