館淳一 第1回 「『週刊プレイボーイ』が100万部雑誌になった原動力は館淳一の文章に負うところが大だった」

撮影:立木義浩

<店主前曰>

今回のゲストにはSM小説界の大御所、館淳一先生をお招きした。館とわたしは、じつは集英社の同期であり大親友である。しかも二人とも吃音というハンディキャップを背負いながら70年以上も生きてきたのである。

館は、いまはなき「週刊明星」に配属されて数々のスクープをものにしながら勤続4年目に退社した。それからも二人の友情に変わりはなく現在まで続いている。

ある日、館が生まれてはじめて書いたSM小説をわたし宛に送ってくれた。しかし、その方面の知識も趣味もなかったわたしは、当時親しかったSM作家の蘭光生先生に読んでもらうことにした。そこで即座に館の才能は認められSM雑誌に処女作が掲載されたのだ。

しばらくして館から一冊に上梓された単行本が礼状とともに送られてきたので、そこではじめて中身を読んでみた。流麗な文章に酔いしれて読み進むうちに、わたしとしたことが、良心なき正直者が硬くなっているではないか!

その時わたしの理性は、親友の書いたエロ小説に勃起する自分に嫌悪感を抱いた。まるで両親の性生活を覗き見たかのようなおぞましい感覚に襲われたのだ。

以後わたしは館の作品を一冊も読んだことがない。しかしながら館淳一はその才能が世に認められ、あれよあれよという間にSM小説界の大家になっていたのである。

***