ロボット
低価格化で普及の兆しが見えはじめた代理ロボット、「家族の見守り」市場に活路
オフィスで働くロボット「Ava 500」(写真:米iRobot社提供)

人間の代理として会議に出席したり、高齢者の見守りなどを行うロボットが普及しはじめている。価格が1,000ドル(約10万円)を切るところまで下がってきたため、今後、一般家庭にまで広がる可能性がある。

●"The Rolling Robot Will Connect You Now" The New York Times, MARCH 1, 2014

こうした代理ロボットは「テレプレゼンス・ロボット(telepresence robot)」などと呼ばれ、すでに数年前から製品化が始まっている。米国では、お掃除ロボット「ルンバ」で有名なiRobot社や、シリコンバレーのWillow Garage社などが先頭に立って開発してきた。

実態は、自動移動車にビデオ画面がついたもの

代理ロボットと言っても、人間の代わりに手足を動かして何かの仕事ができるわけではない。これらのロボットは単に、移動用の車輪がついた細長いボディの頭部に、ビデオ・ディスプレイが備え付けられているだけのシンプルな作りだ。そのディスプレイには、遠くにいる誰か(人間)の顔が表示される。要するに、このロボットがその人の代理というわけだ。

こういう話を聞くと、大抵の人は「それなら既存のテレビ会議システムで用が足りるんじゃないか」という感想を口にする。言われてみれば、そんな気もする。ただテレビ会議システムの場合、一つの部屋でしか使えないが、代理ロボットの場合、誰かに代わって(比較的)自由にどこにでも行けるので、そこが大きな違いだ。

病院で働くロボット「RP-VITA」(写真:米iRobot社提供)

当初、こうした代理ロボットは一台数万ドルもしたので、一般の人たちにはなかなか買いにくかった。初期の用途は専ら医療関係で、たとえば忙しい医師が一つの場所から、いくつもの病院をかけもちで診療するときに使っていた。こうしたロボットは自動運転車とほぼ同様の原理で、病院内を自動的に移動できる。

つまり、人間があらかじめ行き先さえ指定すれば、ロボット自身が廊下の歩行者や障害物などを器用に回避し、ときにはエレベータに乗るなどして、行く先の病室までたどり着いてくれる。あとはロボットの頭部、つまりビデオ画面に表示された、どこか遠くの場所にいる医師が、(病室にいる看護師らの助けを借りつつ)ロボットを介して、ベッドに横たわった患者とコミュニケーションをとりながら診療するのだ(ロボットへの指示や遠くにいる相手とのコミュニケーションは、WiFiとインターネットを介して行われる)。

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