佐藤優のインテリジェンス・レポート---「ウクライナ情勢の緊迫」「島尻安伊子問題」

分析メモ No.72 「島尻安伊子問題」

島尻安伊子氏のホームページより

【事実関係】
2月5日、参議院予算委員会で、島尻安伊子参議院議員(自民党、沖縄選挙区)が質問に立ち、沖縄県名護市の辺野古埋め立てに伴う住民らの反対運動に対し「危険な行為に先んじて対策を打つことが必要だ」などと述べ、反対運動を事前に抑え込むべきだと政府の対応を強く求めた。

【コメント】
1.―(1)
中央政界ではほとんど無名の島尻安伊子参議院議員(自民党)が、安倍政権の「爆弾」になりつつある。島尻氏の選挙区は沖縄であるが、配偶者が沖縄出身なので島尻姓を名乗っている。この人は宮城県出身で沖縄にルーツを持たない。

2.―(1)
『琉球新報』と『沖縄タイムス』の双方が、2月6日1面トップで島尻発言を批判的に取り上げた。翌2月7日に、沖縄2紙は島尻氏を激しく非難する社説を掲げた。

2.―(3)
沖縄2紙が、地元国会議員の発言に対して、これだけ厳しい社説を掲げることは珍しい。島尻氏の提言に従って、政府が力によって辺野古移設を強行した場合、流血の事態になり、死傷者が発生し、沖縄と日本の関係が決定的に悪化することを沖縄県民が強く危惧している。そのことが『琉球新報』『沖縄タイムス』の社論に反映しているのだ。しかし、沖縄2紙を読んでいない人々には、日米安保体制と日本の国家統合を揺るがしかねない島尻氏の政治路線の危うさが見えない。

3.―(2)
島尻氏の政治姿勢を知るために、同氏の履歴を検討することが有益だ。

島尻安伊子氏は、1965年、宮城県仙台市に生まれた。沖縄にはルーツをもたない。仙台の聖ウルスラ学院英智高等学校、上智大新聞学科卒業後、証券会社勤務を経て結婚を機に沖縄に移り住んだ。民主党公認で2004年の那覇市議補選で初当選したが、05年に離党。07年の参院選補選に自民、公明両党の推薦で出馬して初当選し、当選後に自民党入りした。

普天間問題に関しては、10年参院選で「沖縄県外移設」を公約に掲げて再選されたが、内閣府政務官だった13年4月、参議院院予算委員会で県外移設の選挙公約を撤回し、辺野古移設を容認に転じた。もっとも民主党から自民党にくら替えするような人だから、公約破棄など何とも思っていないものと思われる。

<昨年11月には、他の県選出議員らが自民党本部から辺野古移設容認に転じるよう強く求められていたことに関し、妊娠時の「胎動」に例えて「難産になるかもしれないが、待望の子どもが生まれた時にはみんなでお祝いしてもらえる環境にしていきたい」と発言し、物議を醸した。(…略)(2月7日『琉球新報』)>

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