内幕ルポ 今だから書ける、キム・ヨナを恐れた夜もあった 浅田真央でも、敗北は「あの日」から決まっていた
SP後、放心状態の浅田真央。金メダルのプレッシャーは重すぎた〔PHOTO〕gettyimages

浅田真央のオリンピックが終わった。最後に3回転半を決め、自己ベストを出す意地を見せたが、金メダルはあまりに遠かった。勝負を分けたポイントはソチよりずっと前の「決断」にあった。

最後に意地は見せた

やはり勝負はショートプログラム(SP)が終わった時点で付いていた。

2月20~21日(日本時間)にかけて行われたソチ五輪、女子フィギュアで浅田真央はフリーで自己ベストをたたき出したが、結果は6位。日本中が期待し、浅田本人が天国の母・匡子さんに誓った金メダルは、ついに手に入らなかった……。

SPで浅田は、演技冒頭から不安要素であったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑戦し、転倒。これですべての歯車が狂った。

その後の3回転フリップでは回転不足をとられ、後半に予定していた3回転ループから2回転ループのコンビネーション・ジャンプも、2回転ループ単発になる痛恨のミス。

現地で取材したスポーツライターはこう言う。

「トリプルアクセル転倒の原因は、メンタルの問題でしょう。SP当日の練習から、浅田は表情が硬く、神経質になっているようでした。キム・ヨナは、キレの良い動きで、何度もジャンプを決めているのに対して、浅田はいつもよりジャンプを跳ぶ回数が少なかった。必死にトリプルアクセルに入る前のイメージ練習ばかりしていました。見ているこちらにも彼女の不安が伝わってくるようでした」