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『失望』大統領と『逆ギレ』総理、本当はお互いの顔さえ見たくなかった「オバマ来日」決定までの全内幕
こちらも安倍首相が大嫌いなオバマ大統領〔PHOTO〕gettyimages

人間、ウマが合わない人とは、とことん合わないものだ。だが、日本とアメリカの最高権力者同士の話となると困ってしまう。締結後63年を経た日米同盟は、大統領来日前に最大のピンチを迎えた。

「オバマは冷たい男だなあ」

2月12日、米ホワイトハウスは、「オバマ大統領が4月に、日本、韓国、マレーシア、フィリピンの4ヵ国を訪問する」と発表した。

オバマ大統領の来日が決まった。4月22日から23日まで1泊2日の予定。安倍晋三首相とオバマ大統領のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を巡る最終交渉の場となる可能性もある。

だが、安倍首相とオバマ大統領の視線は、もはや修復不可能とも思えるほど乖離してしまっている。相互不信が重なり、まるで離婚寸前の仮面夫婦のような関係なのだ。

2月19日に、衛藤晟一首相補佐官がユーチューブに投稿した次の内容が問題視された。

〈むしろわれわれの方が(アメリカに)失望だ。(オバマ政権は)同盟関係の日本をなぜこんなに大事にしないのか〉

これは安倍首相の気持ちを、素直に代弁したに過ぎない。

実際、オバマ大統領の来日が決まるまでには、紆余曲折があった。

'12年末に安倍政権が発足した後、安倍首相は「'13年1月に2期目のオバマ政権が発足してから、初の首脳会談を行いたい」と強烈なラブコールを送った。だがオバマ大統領は無視。'13年1月18日に岸田文雄外相をワシントンに送り込み、ようやくホワイトハウスからOKが出た。

しかも、「2月22日に1時間以内で議題は日本のTPP参加問題」という条件付きだった。その後、2月12日に北朝鮮が核実験を強行したことで、45分のランチが加わった。

会談では挨拶もそこそこにオバマ大統領が、「日本のTPP参加について話を聞きたい」と切り出した。同盟国の最高権力者が太平洋を渡って来たというのに、ねぎらいの言葉も笑顔もなかった。

安倍首相が初めて目にしたその姿は、同盟国の大統領というより、相手から自国の国益を最大限引き出そうとする法廷弁護士そのものだった。

会談後、安倍首相は、

「オバマってのは冷たい男だな」

と呟いた。

オバマ大統領は昨年6月、習近平主席をカリフォルニアに招き、丸2日間で8時間半という前例のない米中首脳会談を開いてもてなした。その一方で、同月開かれた英国サミットでは、同じホテルに宿泊しているにもかかわらず、安倍首相との日米首脳会談を断固拒否したのだった。

昨年9月初旬にシリアの空爆問題を巡って、オバマ大統領は安倍首相に電話をかけ、「同盟国として協力するように」と迫った。この時は安倍首相のほうが「国連安保理で議決されれば協力する」と突き放した。

国連安保理ではロシアと中国が拒否権を発動するのは自明の理であり、安倍首相が初めて「盟主」に楯突いた瞬間だった。

こうしたオバマ政権とのギクシャクした関係は、昨年末に安倍首相が電撃的に靖国神社に参拝したことで決定的なものとなった。

「なぜ日本の首相は、国益にならないことをやるのだ?私には理解できない」

これがオバマ大統領の反応だったという。

オバマ大統領からすれば、安倍首相が靖国に参拝すれば、中国と韓国が反発するのは目に見えている。中韓との関係が悪化すれば、それは貿易を始め様々な面で日本にマイナスとなって返ってくる。そればかりか東アジアの不安定要素が増す。

そんなことは子供でも分かりそうなのに、なぜあえて靖国へ行くのか。オバマ大統領から見れば、安倍首相の姿は、地域を不安定化させるという意味において、恫喝外交を繰り返す金正恩第一書記と変わらないのである。

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