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日米同盟に暗雲。なぜTPP交渉は不調に終わったのか
TPP交渉は結局合意に至らず。フロマンUSTR代表と甘利明TPP担当相 photo getthyimages 

2月22日~25日までシンガポールで開かれていた日米など12ヵ国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の閣僚会合は、焦点の関税分野で日米間の妥協点が見出せず、大筋合意に至らなかった。

翌日の『読売新聞』(26日付朝刊)は一面トップに「TPP長期化必至―閣僚会合合意見送り、次回会合も未定」の大見出しを掲げ、大筋合意に至らなかったのは、交渉全体の成否を左右する日米協議が不調に終わったためだと報じた。

首相官邸は直前まで日米協議を楽観視

その前週の18日午後、筆者は政府高官と懇談する機会があり、TPP交渉の見通しを尋ねた。同高官は「甘利(明経済財政・TPP担当相)さんが先週末に訪米、フロマン(米通商代表部=USTR)代表と会談して相当詰めており、22日からの閣僚会合で決着すると見ています」と答えた。

と同時に、オバマ大統領が来日する4月22日までには交渉が妥結・署名まで進展するはずだと述べた。その頃の首相官邸は、日米協議を楽観視していたのだ。

なぜ、ボタンをかけ違えたのか。諸説あるが、以下紹介したい。

①大統領次席補佐官(国際経済担当)からUSTR代表に昇格したフロマン氏自身がホワイトハウス時代から対日強硬派であり、安倍晋三首相の昨年12月の靖国神社参拝に強い憤りを持っているとされるバイデン副大統領の気持ちを忖度し、甘利TPP担当相との最終協議で妥協を拒否したという。

フロマン氏はウォール街の雄、ゴールドマンサックス(GS)勤務時代から、実は日本に対して厳しい見方をしていたというのだ。