メディア・マスコミ
小川和也×山田亜紀子【第2回】
「データジャーナリズムには、ニュースを自分ごとにしてもらえる可能性がある」

[左]山田亜紀子さん(朝日新聞社ブランド推進本部所属)、[右]小川和也さん(グランドデザイン&カンパニーCEO)
ソーシャルメディアは、これまでマスメディアが主導してきたジャーナリズムのあり方を変えようとしている。この変化に対応するため、朝日新聞は日本の新聞社としてはじめて「ソーシャルメディアエディター」という仕事を編集局に設けた。
同社の初代ソーシャルメディアエディターを今年1月までつとめ、現在は朝日新聞のブランド戦略に取り組む山田亜紀子さんに、としての仕事を振り返ってもら いながら、ソーシャル化の波がもたらす新聞社、そして新聞記者の変化について語ってもらった(対談は2013年12月26日収録)。

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朝日新聞デジタルでも始めたデータジャーナリズム

小川: デジタルジャーナリズム・ハッカソン」はどういうコンセプトなんですか?

山田: そもそも、「データジャーナリズム」ということがなじみがないですよね。たとえば、自分の土地では南海トラフ地震がきたときにどのくらいの揺れがくるのか、どのくらいの被害があるのか、ということを、国全体のこととして知るだけでなく、自分の住所を入力して検索すると自分の地域の被害状況が見られるというようなことも、朝日新聞デジタルでは始めています。

大規模なオープンデータを活用して、それに基づいてわかりやすいビジュアルを用いて、ある事象に新しい視点を加える。みんなにとってニュースが自分ごとになる仕掛けです。

ニューヨーク・タイムズは、地下水が汚染されているという問題で、その地域は今どれくらい汚染されているのかを携帯で見られるアプリを作ったと聞きました。そういう具体的なところにまで落とし込んでいくことによって、ニュースを自分ごとにしてもらえる可能性もある。自分ごとにした結果、もっとここが知りたいとか、こういうことを取材してよ、という声が出てくる可能性があります。

自分事にならないと、質問さえ出てこない。朝日新聞でもメールで質問をお送りください、投書をお送りください、と昔から読者にオープンにはしている。でも、今や、わからない人はネットやソーシャルで聞いて、専門家や誰かが答えてくれている。

私たちは、質問を寄せてもらったなら、知っていることをただ答えるのでなく、自分たちで取材して検証して答えられる。さらに、データを分析するのが得意な人とか、あるいはデザイナーの人とか、エンジニアの人とか、社外の人とも一緒になって、より分かりやすく、伝わりやすいように伝えましょうということなんです。