栗城史多【第2回】「自分の限界値を越えた瞬間の苦しみに感謝するこで、ピンチの中に学びと希望を見出します」
冒険を共有し挑戦の火を灯す「チャッカマン」という仕事
慎 泰俊
栗城史多氏と慎泰俊氏

⇒【第1回】はこちらからご覧ください。

苦しいときこをポジティブな感情が必要

慎: 栗城さんはファンがすごく多い分、アンチもいると思うんですが、アンチの人たちが「バスローブ姿でふざけてる」と言っていたのは、5000m地点とかそのくらいの話ですよね?

栗城: あれはベースキャンプのときの映像ですね。

慎:ベースキャンプには大掛かりな機材を全部持っていくわけなので、「そんなの持っていく余裕があったら荷物を軽くしろ」というツッコミはまったく意味がないということですね。

栗城: 僕は面白いことをいろいろやりたいな、と思っていているんですね。今までの企画としては、たとえば2009年に初めてエベレストから中継したときは、7500m地点でカラオケを2曲歌ったりとか、6000m地点のベースキャンプ(中国側)で流しそうめんをやったんですよ。それをギネスに申請したりして。

慎: それは面白いですね。でも6000m地点で流しそうめんなんかやったら、凍ったりしないんですか?

栗城: 半分凍っていましたね。ちゃんと流れなくて(笑)。日本側でスタジオを借りてその様子を中継したりと、一見くだらないことをしていますが、極限状態でいちばん大切なことって、実は楽しむことなんですよね。

エベレストのような極限の世界というのは、苦しいことや辛いことにフォーカスしてしまうとダメなんですよ。どんなに苦しいことや辛いことがあっても、その辛さを楽しむ力が重要で、それで僕はくだらない中継をやったりしているんです。

慎: よくご存じだと思いますが、砂漠や極地も含めた様々な場所でウルトラマラソンをする小野裕史さんという方は、砂漠を走るときに着ぐるみを着たり、南極を走るときも忍者の格好をしていらっしゃったりするので、そういうことは大事なんだと思います。

栗城: やっぱり8000mの山なんかを登っていると、何を考えるかがすごく重要で、身体のなかでいちばん酸素を使うのは脳だといわれていますが、すごく感情的になったり落ち込みが激しいと酸素の消費量が悪くなったりするんですね。

だから、たしかに苦しいんですけれども、どうやってリラックスさせるかというときに、楽しい気持ちや感謝の気持ちみたいなポジティブな感情が重要なのかな、と思います。

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