「あまりにも違う機能を無理やり一緒にしたことの弊害が出ている。将来的に分離させるのも、一つの検討課題だ」――日本政策金融公庫(総裁・安居祥策=元東レ会長)について、菅直人副総理・財務相の3月17日の衆院財務委員会での答弁である。

同金融公庫は、2008年10月、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、国民生活金融公庫が統合・誕生したもので、傘下にやはり国際協力機構(JICA。緒方貞子理事長)の国際金融部門が分離・誕生した国際協力銀行(JBIC。経営責任者・渡辺博史元財務官)を持つ。
菅氏が言わんとすることは、民間企業による海外の大型プロジェクト受注を金融面から支援するために国際協力銀行の機能を強化する必要があり、そのためには日本政策金融公庫からの分離まで踏み込むということである。
では、なぜ小泉純一郎政権と安倍晋三政権が手がけた行政改革で政府系金融機関の統合・民営化した国際協力銀行を再び分離・独立させる必要があるというのか。みんなの党の渡辺喜美代表は「所管の財務省の天下りポストを増やすだけだ」と手厳しい。
昨年末来、日本の企業連合がアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の原子炉4基建設入札で韓国の企業グループに、またベトナムの原子炉建設第1期工事(2基)ではロシアのロスアトム社に敗れたことが、菅氏や仙谷由人国家戦略担当相の「官民一体で国際商戦に勝ち抜く」発言の背景にある。
事実、経済産業省(望月晴文事務次官)が2月末にまとめた『日本の産業を巡る現状と課題』に、
(1)なぜ、技術で勝って事業や利益で負けるのか?
(2)設計・開発生産現場は国内に維持できるのか?
(3)成長新興国市場のインフラ需要・ボリュームゾーンに対応できるのか?
(4)環境・エネルギーニーズをビジネスに活かせるのか?
など検討課題についての言及がある。
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