楽天成功の秘密は「スピード」
社内コミュニケーションを英語化する理由

三木谷浩史・楽天会長兼社長インタビュー
(後編)

田原 総一朗

田原 なるほど。

三木谷 方針決定も、軽いものから、非常に大きな、会社の運命を左右するようなものまでありますよね。会社の運命を左右するものについては、取締役会議もあります。ただ、軽いものの変更というのは、僕だけじゃなくて思いついたら即実行。この世界はスピード、スピード、スピードですから。
  ただ、やっぱりサービスが大きくなると、月間1000万人以上の方が使うわけですから、大掛かりな仕組み変更というのは思いついて実行できるまで、長いものだと3カ月、4カ月かかります。簡単に変えられるものは、変えちゃいます。

田原 長くて3、4カ月ですか? 速いですね。

三木谷 もちろん、ほんとうに大きなものは2年がかりのプロジェクトとかもありますよ。やっぱり、その決断の早さと、決断してから実行するまでのスピード。ネットサービスは日々進化してるんですよ。

選挙期間中もネットで情報発信できるようにしたい

田原 ところで、「eビジネス推進連合会」というのができて、三木谷さんが会長になられたんですね。これはどういう会ですか?

三木谷 基本的には先ほど言った、インターネットを使ったビジネスを国家を挙げて促進しなくてはいけないという想いから設立しました。ところが国内にはいろんな抵抗勢力があります。

田原 ありますか? 抵抗勢力。

三木谷 例えば、薬のネット通販の問題が象徴的だと思うんですけど。この問題を海外で説明しても、わかってもらえませんよ、「えっもう一回言ってくれる?」って(笑)。

田原 要するに、薬はネットでは売れないと、こうなったんですね。店頭販売でなくてはならないと。

三木谷 対面販売です。そういう不合理、不条理がある。

田原 どこがむちゃくちゃ?

三木谷 だって、処方箋薬じゃなくて一般用医薬品という店頭で売ってる薬ですよ。それについて、ちゃんと対面で説明してから売りなさいと言う。でも対面といっても、極論を言えば説明するのはアルバイトの子でもいいわけです。
  それよりもネット上で「こういうリスクはわかりましたね」ということを説明して、確認してもらったうえで買ってもらったほうが、明らかに安全性の担保でいえば上なわけですよ。それを、ただ対面であるほうが安全であると固執する。
  医療も一緒です。対面でなければならない、遠隔医療はだめだと。そんなことを言ってるからコストがかかるんです。

田原 これは薬屋さんが反対したんですよね? 店舗を持ってる薬屋さん。

三木谷 いや、かならずしもそうではない。うちで売ってる店舗さんって、ほとんど薬局なんですよ。田舎に行けば行くほどでかいドラッグストアに食われていくし、人もいなくなってくるから、楽天市場で日本全国のユーザーを対象にして販売したいと。

田原 なんで、当時の自民党はこんなの通しちゃったんですか?