企業・経営 IT
モバイル産業の勢力図を塗り替える2大トレンド
サムスンが発表したスマートウォッチ「Gear 2」 〔PHOTO〕gettyimages

世界最大のモバイル見本市・国際会議「Mobile World Congress(MWC) 2014」が、今年もスペインのバルセロナで開催された。筆者は今回、現地取材には行かなかったが、これに関する報道を見る限り、モバイル産業が幾つかの点で大きな移行期に差し掛かっており、今後の進展次第では従来の勢力図が崩れる可能性があると感じた。

サムスンが腕時計端末にタイゼンを搭載した意図は?

一つはスマートフォン中心の時代から、ウエアラブル端末など、いわゆるIoT(Internet of Things:多彩なインターネット端末)への移行である。今回、MWC 2014の開催に合わせて、韓国サムスンはネットにつながるスマートウォッチ「Gear 2」を発表したが、この端末には従来のアンドロイドに代わって、「タイゼン(Tizen)」というモバイルOSが搭載されている。

タイゼンは基本的に同社とインテルが中心になって開発・推進してきたモバイルOSだ。今、敢えて、これを自社のスマートウォッチに搭載してきたサムスンの意図は明白だ。これまでのスマートフォン・ビジネスは、基本ソフト(OS)の面から見れば、アップルの「iOS」とグーグルの「アンドロイド」による2極体制だった。

しかし今、モバイル業界の関心がウエアラブルなどIoTへと移行しつつある中で、サムスンとしては今後ともグーグルに忠誠を誓う必要はない。要するに同社は、モバイル産業の主力端末が単なるスマホから、ウエアラブルやIoTへと大幅に拡大するタイミングに合わせて、業界標準OSの世代交代を狙っている。これによって、これまでのアップルとグーグルによる勢力均衡を崩し、自らをモバイル産業の盟主にしたいのだ。今回の動きからは、そうした意図が読みとれる。

サムスンには機を見るに敏な面が伺えるが、実際に同社の狙い通りになるかは不透明だ。いや、むしろ状況は厳しいと言わざるを得ない。不完全燃焼に終わったLimo Foundationの流れをくむタイゼンは、以前から業界関係者の間で評判が悪かった(参照:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35065?page=3)。最近でも、それまでタイゼン採用を表明していた日本のNTTドコモが土壇場になって手を引くなど、勢いはさらに衰えている。

〔PHOTO〕gettyimages
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