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捨ててこそ、楽しい人生が始まる
60すぎたら、どんどん捨てなさい【1】体力があるうちに捨てよ

週現スペシャル 

1親を捨てる 2子供を捨てる
3友人を捨てる 4家を捨てる 5見栄を捨てる
6年賀状やお中元をやめる 7カネを捨てる

「定年退職したらたくさん友達を作ろう」「子供のために財産を貯めよう」。その計画、ちょっと待った!幸せな第2の人生は、身の丈に合ったシンプルな生活が一番。さあ、「人生の身辺整理」を始めよう。

体力があるうちに捨てよ

「大変皮肉なことですが、老年になってから老年を始めるのでは遅い。地震が来てから非常用の装備を買いに走るようなものです」

こう語るのは、作家の曽野綾子氏(82歳)だ。

「人生80年」といわれる時代。日本人の寿命はどんどん延び、今や100歳まで生きる人も珍しくない。それだけに、定年を迎えた60歳からどう生きるかが、非常に重要な選択になる。平均寿命まで生きるとしても、残りはまだ20年。第2の人生を楽しむ時間は、たっぷりある。

「会社では、いいにせよ悪いにせよ、レールがひかれているから、その上を走っていればいい。冬季オリンピックでいえば、ボブスレーと一緒です。

でも定年後は、レールが一つずつ外され、最後にはすべて外される。そこから先は、すべてを自分で決めなければならない『想定外』の人生が始まります。そのとき幸せに生きられるかどうかの分かれ目は、自分で楽しいことを見つけられるかどうかです。その『楽しいこと』が、人に誘われてとかではなく、自分自身の力で見つけ出し、開発したもの、全部自分でやる自己完結型のものであるなら、その人はおもしろい老後を送れると思います。

人が誘ってくれない、いい制度がない、とないない尽くしで文句を言う人を、私は『くれない族』と言っているのですが、この『くれない度』は老化度を意味するものでもあります。自分の状況を社会のせいにすることに慣れてきた人は、精神も老化が進んでいますから、たぶんあまり楽しくならないんです」(曽野氏)

定年後の生活で、まず手に入るものは何か。それは、ありあまる時間と自由だろう。それまで仕事に割いてきた時間が、そっくり自分のものになる。とはいえ、いくら遊んでも疲れを感じなかった、若い頃のような体力はもう持ち合わせていない。

初めて得た自由な時間を有意義に使い、充実した定年後を実現させるためには、それに向けた「準備」が必要になる。

まず、頭や心を整理するために「モノの整理」をするべきだと語るのは、老前整理コンサルタントの坂岡洋子氏だ。