賢者の知恵
2014年03月08日(土) 週刊現代

昔「満州」、いま「原発」「日本の生命線」なんてウソばかり 日本人よ、歴史に学ぼう 保阪正康×磯田道史

週刊現代
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福島第一原発が象徴する、「撤退計画なき日本の国策」〔PHOTO〕gettyimages

原発事故からまもなく3年。安倍政権は「原発を再稼働させなければ日本のエネルギー政策が立ちゆかない」と言いつのる。その言い方はかつて軍靴に紛れて聞こえたあのスローガンと似ていないか?

「一点依存」は失敗する

保阪 都知事選で細川護熙さんと組んで反原発を掲げた小泉純一郎元首相ですが、今後も反原発活動をしていくと話していますね。僕は小泉さんと世代が同じだから感覚を共有する部分もあるし、一方、感覚的にわからない部分もある。

そのわからない部分、つまり圧倒的な対米追従姿勢について、ある人がうまいことを言っていました。「彼は横須賀史観だから」と。小泉さんは地元・横須賀で米軍基地に寄港する空母ミッドウェイとかを見て育っている。小さい時からあの巨大な艦を見ていれば、アメリカに逆らったらかないっこないと思うだろうなと。

磯田 その小泉さんは、「戦前の日本は『満州は日本の生命線』と言ってたが満州がなくなったほうが日本は発展したじゃないか」と地元・横須賀の講演で語ったわけですよね。

確かに歴史的にはそのとおりで、じつは日本は、古代の昔から同じような失敗をくりかえしています。

保阪 「満州は日本の生命線」というスローガンが公に出たのは、昭和6年1月、松岡洋右発言が発端で、以後、軍人をはじめ、皆がそれを使うようになります。松岡は、この約2年後に国際連盟を脱退した際の首席全権代表として知られていますが、彼は代議士に転身する前は満鉄(南満州鉄道)理事でした。

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