経済の死角

株初心者から不満爆発 これじゃあ大損だ!NISAのバカヤロー少額投資非課税制度

巻頭大特集アベノミクスに「大異変」!

2014年03月02日(日) 週刊現代
週刊現代
upperline

「税金タダ」って言ったのに!

「税金がタダになると聞いて口座を作って株式投資を始めたのですが、買った株がさっそく値下がりしてしまいました。どうすればいいのか証券会社の担当者に相談すると、このまま持ち続けたら、損したうえ、しかも課税される可能性があるというのです。『非課税』だというのに、『課税される』とは矛盾している。はじめに知っていればやっていませんでした。NISAのバカヤローですよ」

そう語るのは元商社マンの大桑雄介氏(仮名、64歳)である。今年1月からスタートした「少額投資非課税制度=NISA」を始めたら、思わぬ落とし穴にはまり頭を抱えている。

NISAは、株や投資信託などを売買する際に、その売却益、配当金、分配金にかかる約20%の税金が原則5年間免除される制度である。「税金がタダになる」ということで証券会社や銀行の窓口には新規口座開設を希望する顧客が殺到、NISA口座はこの1月に500万口座を突破する勢い。2月13日には「NISAの日」ということで、証券各社がセミナーやイベントを開くなど大騒ぎだ。

一方で、制度の不備が多く、口座開設者たちからはさっそく不満の声が出ている。ライフカウンセラーの紀平正幸氏も言う。

「NISAは投資で儲かった時には非課税というメリットがありますが、儲からなければメリットがないどころか、デメリットがたくさんあります。NISAを利用したために損をするというケースが続出する恐れもあります」

前出・大桑氏のケースがその好例だが、それにしても、非課税を謳う制度を利用したことで逆に損が膨らんでしまうのはなぜか。

NISAは原則5年間だけ非課税と期間が決められており、買った株などは期間中いつでも売れる。ただし、期限が来たら株を売却するか、NISA口座から課税される一般口座に移さなければいけない。

仮に当初100万円で株を購入し、期限が来た時に値下がりして50万円になっていたとすると、損切りをしたくなければ一般口座に移すことになる。

「ここに罠があります。NISA口座から一般口座に移した時点で、100万円ではなく、50万円でその株を購入したとみなされてしまうからです。その結果、口座を移した後に株価が100万円に回復してから売ろうとしても、利益が50万円出たとして20%=10万円の税金がかかってしまいます。仮に60万円で売った場合は、すでに40万円損をしているにもかかわらず、50万円から10万円のプラスになっているため、さらに2万円の税金を支払わなければいけません」(経済ジャーナリストの荻原博子氏)

初めからNISA口座ではなく一般口座で買っていれば、100万円で買った株を100万円で売っても60万円で売っても、税金はかからない。NISAに手を出したがため、本来払う必要のなかった税金を余計に支払うことになるのだ。

次ページ 「通常の株取引には損益通算とい…
1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事