世界経済 中国
習近平が江沢民に挑んだ「掃黄」という名の権力闘争
〔PHOTO〕gettyimages

3日間で18000軒以上を摘発した「掃黄」

習近平・中国国家安全委員会主席が主導する「掃黄」が、まるで竜巻のように中国全土で吹き荒れている。

日本ではエロはピンクで表現するが、中国はイエローである。「掃黄」とは「黄色を掃除する」、すなわちエロ一掃運動を指す言葉だ。これからとりあえず3ヵ月間、中国全土で「掃黄」を行うという。広東省では2月10日の晩だけで、6000軒ものカラオケなどを一斉摘発した。その後、12日までに18372軒も摘発し、920人も拘束したという。

「掃黄」というのは、昔から毎年のように一定期間やっていた。もう時効だろうから告白するが、私も一度、北京で捕まったことがある。留学中の1995年のことだ。留学生仲間と週末にカラオケに行ったら、そこにドドドドッと公安(警察)が乱入してきた。われわれ客も、店の従業員もホステスの「小姐」も皆、後ろ向きになって壁に手をついて万歳をさせられる。

そして、公安はわれわれ客の服のポケットやカバンの中を徹底的に調べていく。その模様を、ソニーのハンディカムを持った公安が撮って回る。一体何をしているのかと思っていたら、「あったぞ!」という声がしてようやく分かった。

公安はコンドームを探していたのだ。コンドームを保持していたら買春の意思があるということで連行される。いまでこそコンドームは北京市内のセブンイレブンでも売っているが、当時はどこへ売っているのかも知らず、よって持っているはずもなかった。そこで公安はわれわれの学生証をめくって、「何だ、日本人留学生か」とぼやいて開放された。

こうした「掃黄」は、3月の人大(国会)や10月の国慶節(建国記念日)の前などに一週間くらい集中的にやって、また元の通りになる。その繰り返しだった。

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