スポーツ

二宮清純レポート 45歳・石川ミリオンスターズGM兼投手 木田優夫巨人のドラ1が出会った「もう一つのプロ野球」

2014年02月24日(月) 週刊現代
週刊現代

投げるのが好きなんで—金沢の小さな球団に身を移しても、木田が野球を続ける理由だ。8度の移籍と度重なるトライアウトを経験した男は、他のどのプロ選手よりも、野球を楽しんでいた。

まだ球は速くなる

プロ野球選手が名刺を持つこと自体、珍しいが、名前の上に記載されている肩書は、もっと珍しい。

〈GM兼投手〉

—世界中で、こんな肩書を持っているのはひとりだけでしょう?

そう水を向けると、45歳の木田優夫はフフッと笑って、照れくさそうに言った。

「でしょうね……」

巨人を皮切りにNPBで活躍し、メジャーリーグも含めて計8球団でプレーした木田が、独立リーグ「ベースボール・チャレンジ(BC)・リーグ」の石川ミリオンスターズに入団したのは昨年のことだ。

入団の経緯を本人は、こう語る。

「北海道日本ハムを戦力外になって、(NPB)12球団の合同トライアウトを受けたのですが、どこからも声がかからなかった。

一時は引退しようかなと思ったんですが、時間が経つにつれて〝もう少し投げたい〟という気持ちが湧いてきた。そんな時に、たまたまテレビを見ていたらサッカー選手が出てきた。〝やっぱりユニホームを着ている選手はカッコいい〟と思ったんです。

そこで現役を続けられる道はないかと、韓国や台湾なども視野に入れながら探していたところ、知り合いを通じてミリオンスターズの端保聡社長を紹介していただいたんです」

メジャーリーグファンでもある端保との交渉はトントン拍子でまとまった。

とはいえ、元メジャーリーガーが日本の独立リーグでプレーすることに抵抗はなかったのか。

「正直、最初は〝独立リーグか……〟と躊躇する気持ちもなかったわけではありません。でも、自分の中には〝鍛え直せば、まだ成長できるんじゃないか〟との思いがあった。ユニホームを脱げば限界にチャレンジすることだってできなくなるわけですから」

そんな木田を端保は「野球人の鑑」と呼ぶ。

1
nextpage


Special Feature
最新号のご紹介

スポーツプレミア アクセスランキング

  • 昨日
  • 直近1時間