カイジ「勝つべくして勝つ!」働き方の話
【第3回】大事なのは、結果かプロセスか? ~オリンピックに感動する理由


漫画『賭博黙示録 カイジ』とは?

自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとう・かいじ)。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして・・・。

(作者:福本伸行 講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年11月号~1999年36号まで連載された作品)


【第2回】はこちらをご覧ください。

連日、ソチで行われている冬季オリンピックの中継を観て、寝不足になっているという人も多いのではないでしょうか。4年に1度のこの大イベントに、世界中が湧いています。

オリンピックがこんなにもぼくたちの心を奪うのは、なぜなのでしょうか。

「勝負には、勝たなければいけない」

この言葉にアレルギー反応を持つ人は多いと思います。「結果だけじゃやなく、プロセスも評価して欲しい」と主張する人もいるでしょう。

しかし、もし、試合後のインタビューで、選手が「メダルは取れなかったけど、練習は頑張ったのでそこは評価してください」と語ったらどのように感じるでしょうか。

ちょっとびっくりしますよね。「そんなこと知らないよ」と怒る人もいるかもしれません。

ぼくたちがオリンピックに魅力を感じるのは、選手たちが厳しい競争に対して、「勝ち」を目指して本気になって戦っていることが伝わってくるからだと思うのです。

これは、ぼくたちビジネスマンが送る日常生活でも同じなのではないかと思います。もちろん、ぼくたちの人生は勝負事だけではありません。けれど、もし、あなたが世の中や他人から評価してもらおうと考えるのであれば、やはり勝とうとしなければいけないのです。

『カイジ』の中で、利根川が、イチロー選手や羽生善治さんを指して、「勝ったから」「結果を残しているから」世間の注目を集め、世間から評価されているのだと語る場面があります。

イチロー選手は、日本でプレーしている間、ずっと「振り子打法」というかなり独特な打法でした。かなり斬新なフォームだったので、バッティングコーチにも「改善」を求められたようです。しかし、イチロー選手は変えませんでした。そして実績を残しました。

イチロー選手が、独自のバッティングフォームを貫き、それでもチームや世の中から支持されたのは、間違いなく「結果を残したから」です。結果が出せなければ「それ見たことか」と非難されます。

イチロー選手が信念にしたがって独自のフォームを貫いたからではなく、結果を残したからぼくたちは彼を評価しているのです。

消費者としてのぼくたちは、「結果」だけを買っている

結果が全てではない。プロセスも重要なはず。

そう言いたい人もいるでしょう。もちろん、その気持ちは理解できます。

ですがそれは、自分自身で主張すべきことではありません。「プロセスも重要」と言うのは、逆に考えると「正しいプロセスを踏んでいれば、それでOK」と言っていることにもなります。買ったばかりのパソコンが壊れ、メーカーに問い合わせたところ「なるほど。でも製造過程は正しかったので、半額だけ返金します」と言われたら、どうでしょうか?

消費者として買うのは、「結果(商品)」であり、「プロセス」ではありません。その会社の社員が頑張ったのであれば、商品がちゃんとしてなくてもいいや、と考えている人は、おそらくいないでしょう。消費者として、ぼくたちはみんな、「結果」で相手を見ているのです。

そして、忘れてはいけないのは、ぼくたちは消費者であると同時に労働者でもある、ということです。経済学では、個々人を消費者として扱いますが、同時に労働者としても考えています。つまり、マクロの視点で日本全体として考えれば、ぼくたちは自分で作ったものを、自分で買っていることになるのです。

ぼくたちは、消費者として、商品を"プロセス(製造過程)"ではなく"結果(最終形態)"で判断しています。また結果で判断すべきだと思っています。それはつまり、労働者としての自分を"プロセス"ではなく"結果"で評価すべきと考えている、ということなのです。

つまり、消費者として企業に「結果」を求めているのであれば、労働者として「プロセスを評価してください」というのは虫が良すぎるというものです。

「結果が大事か、プロセスが大事か」は議論になりません。「結果が大事」なのです。

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