長谷川幸洋×原丈二 VOL.4「スマホやタブレットがなくなる2020。メディアは情報を何で伝えるのか?」

『現代ビジネスブレ イブイノベーションマガジン』---「長谷川幸洋がキーマンに聞く」より

読者の方向を向いていない新聞

長谷川: 「新聞は生き残れるか」というテーマに即して言えば、僕は相当ダメになっているな、と思っています。その象徴となっているのが、オリンピックが決まった翌日、新聞が出なかったことなんです。それは、その日が新聞休刊日だったからですよ。

その日に出た新聞は一社だけです。読売新聞が特別号外で16ページのものを作って、しかも号外というのは普通街で配るものですが、それを全部840万部宅配したんですよ。何億円も費用がかかったと言われています。でも、そんなことをしたのは読売新聞だけだったんです。

他の新聞社は、業界のルールで「この日は新聞休刊日」と1年も前から決めていたから、オリンピックが決まった翌日が新聞休刊日だったのでそのさらに翌日の月曜日の朝刊まで出なかったんです。

これは古い考え方かもしれないけれども、読者が求める知りたいと思っていることを提供して、それがビジネスになっているのが新聞なんです。オリンピック招致が決定したという何十年に一度しかない喜ばしいニュースなのに、その情報をすぐに出さなくてもいいという考え方の経営者がほとんどになってしまったんでしょうね。

経営者が読者や消費者のほうをまったく向いていない業態になってしまい、このままいくともう新聞はなくなってしまうんじゃないの、というのがこの本で書いている指摘の1つなんです。非常に根本的なことを言えば、そんな新聞は要らなくなるだろうということです。

それから、じゃあ新聞記者はそのときに働いていなかったのかというと、働いていて、みんなネットに記事を流していたわけですよ。ですから、新聞記者の仕事自体は動いていたのに、紙というメディアでは出なかったんです。

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