「講座:ビジネスに役立つ世界経済」
【第34回】 米国経済は順調に回復しているのか?

〔PHOTO〕gettyimages

無難な結果だったイエレン新FRB議長の議会証言

注目された2月11日のイエレン新FRB議長の議会証言だが、特に市場では材料視されず、無難な結果であったようだ。

議会証言で、イエレン新FRB議長は、1) 労働市場は回復したとは言えず、「正常化」には依然として程遠いこと、2) ただし、Taperingは、予定通り実施し、今年末にはQE(量的緩和)政策を終了させること、3) 何らかの外的ショック(例えば、新興国の金融市場でのクラッシュなど)によって、米国経済が再び悪化する懸念が台頭した際には追加緩和も辞さない、点について言及した。内容的にはいずれも妥当なもので、市場にも安心感を与える無難な発言であった。

このように、イエレン新議長は、米国経済は十分に回復(リーマンショック前の平均的な経済状況に回帰)していないにもかかわらずTaperingを予定通り進めていくことを宣言したのだが、実際の米国経済の状況はどうなのだろうか。

まず、完全失業率は1月時点で6.6%まで低下しており、FRBがQE政策解除の基準と考えてきた6.5%に近づいている。また、ISMなどの企業活動のセンチメントをあらわす指標は大きく改善しているが、鉱工業生産指数も改善が著しい。

1月の鉱工業生産指数は季節調整済みで101.02ポイントで、ようやくリーマンショック前の水準を超えた。GDP統計を見ると、2013年10-12月期の実質GDP成長率は、前期比年率で+3.2%、うち、個人消費が+3.3%、民間設備投資が+3.8%、輸出が+11.4%上昇した。

以上のように、米国経済は、数字上は、リーマンショック前の状況に着実に回帰しているように見える。このような展開が続けば、FRBのTaperingの進行が正当化されてしかるべきかもしれない。

家計の含み資産と消費の関係(筆者作成)
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