現代新書カフェ
2014年02月19日(水)

特別寄稿『ブラック精神科医に気をつけろ!』 第2回「精神科の多剤大量処方で疲弊する救急現場」

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精神科で処方された薬を過量服薬し、救急外来に運び込まれる患者が急増。ただでさえパンク状態の救急現場を混乱させている

精神科の多剤大量処方で疲弊する救急現場

 精神科の多剤大量処方で被害を受けているのは、患者や家族だけではない。瀕死の患者を救うため、24時間体制で奮闘を続ける救急現場も足を引っ張られている。

拙著『精神医療ダークサイド』(講談社現代新書)では、救急医からみた精神医療の問題に詳しく触れた。2月11日の読売新聞朝刊(1面と3面スキャナー)では、救急医への独自アンケートをもとに、過量服薬問題に切り込んだ記事が大反響を呼んだ。

 アンケートは、全国の救命救急センターと日本救急医学会の救急科専門医指定施設を対象に実施した。その結果、ベンゾジアゼピン系などの処方薬を過量服薬し、救急外来に運び込まれる患者が全国で相次いでいることが裏付けられた。患者の中には、パーソナリティー障害が背景にある人もいるが、精神科の安易な処方をきっかけに処方薬依存に陥り、過量服薬を繰り返すに至った人も少なくない。不適切な精神医療によって、過量服薬患者が生み出されているのだ。

アンケートには怒りの声が続々と

 2012年には、全国で少なくとも156病院が過量服薬患者を受け入れ、うち約3割にあたる46病院は、年間50件以上に対応していた。バルビツール酸系の睡眠薬や三環系抗うつ薬では、過量服薬による死亡例が少なくないことも明らかになった。ベンゾジアゼピンの作用で酩酊状態になり、救急医や看護師に暴言を吐いたり、暴力を振るったりする人も目立つ。

アンケートの回答用紙の最後には、多剤大量処方を繰り返す精神科医に対しての、救急医の怒りが数多くつづられていた。いくつか取り上げてみよう。重複する内容もあるが、救急医の生の声として受け止めていただきたい。

「精神科医のいいかげんな処方が問題です」

「精神科医の丸投げ感を強く感じる」

「向精神薬の処方、種類、量が多過ぎる」

「処方する側の責任感と精神科医の救急医療への関わりが必要と考えます」

「処方する医師が責任を持って治療を行うべき」

「コントロールがついていない患者に対して、精神科の医師が1か月から3か月分の薬を一度に処方しているケースが多々見受けられます。薬剤処方の期間を短くすることが重要ではないでしょうか」

「バルビツールや三環系を、1回の処方で致死量出している例もある。処方する側に明らかな問題がある」

「過量服薬患者に対する精神科医の対応が積極的ではなく、無責任である場合が多く認められます。精神科専門医は、救急医療を研修することを必須とするべきです。全身管理を含めて、過量服薬に全く対応できていない若手精神科医が多いことは大きな社会問題です」「多くの場合、精神科医と心療内科医が薬を処方していますが、彼らはその事(過量服用による救急搬送)に罪悪感を抱いておらず、また、その事によって生ずる身体的問題に関わる必要がないと考えている」

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