経済の死角
2014年02月18日(火) 

都市ガス事業の全面自由化で、エネルギーの「価格競争」が始まる!

もっとも、長年地域独占を続けてきた大手電力会社の既得権保持に向けた動きは根強く、思うように新規参入が進まない可能性もある。それでは料金の抑制はままならない。そこで踏み切ることにしたのがガスの全面自由化なのだ。

もともとガスは電力に比べて自由化が進んでいた。1995年から自由化が始まり、現在は年間使用量が10万立方メートル以上の大口販売については自由化されている。大口分野にはすでに30社近くが参入し、大口需要量の17%が新規事業者による供給になっている。新規参入の増加や供給地域の拡大もあって都市ガス全体の販売量も大きく増加。市場規模も膨らんできた。

都市ガス会社は2013年12月現在で209社に及び、様々な事業形態で営業している。東京ガス、大阪ガス、東邦ガスが大手で、この3社で全販売量の7割を占めるが、地域ごとに中小規模のガス会社が散在している。中には仙台市ガス局のような公営企業も含まれる。

大口分野では工場や大型の商業施設など向けに新規事業者が参入している。LNG(液化天然ガス)基地を持つ電力会社のほか、LPG(液化石油ガス)ガス会社、メーカーや商社などが設立した都市ガス会社などが、工場など需要先に直接供給する例が多い。一方、これまで小売り分野では地域独占が認められ、料金も認可制が敷かれてきた。今回、これを自由化しようというわけだ。

中堅・零細業者はどうやって生き残るか

小委員会では様々な規模の都市ガス事業者から意見を聞いてきたが、大手、準大手、中堅とも自由化を受け入れる意向を示した。電気料金が上昇基調にある中で、都市ガスが相対的に優位になりつつあるなど、自由化を「攻め時」とみていることが背景にあるようだ。

東日本大震災までは電力会社が展開する「オール電化住宅」などに押されていたが、震災による供給不安なども顕在化。ガスを利用した家庭用コージェネレーション(熱電併給)システムなどへの関心が急速に高まっている。ガス業者同士で戦うのではなく、電力会社との競争に勝つには自由化は追い風ととらえているようだ。

もっとも、ガスの小売りの自由化をどう実現するのかは、今後の制度設計が大きなカギを握る。大手の都市ガス会社が独占しているガス供給管の開放をどう実現するか、また、各家庭に都市ガス会社が設置しているガスメーターを、顧客が自由に変えられるようにするかなど、競争を阻害している問題の解決はこれから。具体的な自由化の制度設計が始まれば、既存業者は「安全性」を盾に新規業者の参入を阻もうとするのは火を見るより明らかだ。

2
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS