都庁はおよそ行政機関としての体をなしていない! ~東京都知事3日目の感想

2014年02月18日(火) 舛添 要一

舛添 要一舛添レポート

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トップのリーダーは大きな方向付けをすればよい

ところが、初登庁して一日仕事をしただけで、この役所は大丈夫か、とんでもないことになっているのではないかと、心配が先立ってきた。大臣のときは、健康局、職業安定局、年金局など、各部署の担当が、次々と報告にやってきて大臣の指示を仰ぐ。

国会議員、地方自治体の首長、関係団体などの陳情などが入るし、また諸外国のカウンターパートの閣僚との外交交渉もある。それに赤い羽根募金などの様々なイベントにも参加する。とにかく、毎日びっしりと仕事で埋まる。

都庁では、職員が恐る恐る知事に説明に伺ってもよいかと、私に不安げに尋ねてきた。これは驚きで、知事に対する説明などは当然行うべきである。また、外国の賓客をはじめ、外部の人とのアポイントメントを予定に組み入れることにも、躊躇しがちである。

これまでの知事たちが、どういう職務姿勢であったのかが、よく分かる。週に2〜3回しか職場に来ないのなら、職員からレクを受ける機会も少なくなるであろうし、重要な来客とのアポも入れられないであろう。まともな仕事もせずに、権威主義的に怒鳴り散らしていたのではないかと想像してしまう。これでは、部下の士気も減退するであろう。

大臣であれ、知事であれ、トップのリーダーというのは、大きな方向付けをすればよいのである。船で言えば、船長なのであるから、進むべき方向を指示するだけで十分である。あとは、機関士、甲板員など部下がそれぞれの部署で、きちんと仕事をすれば、船は目的地に到着する。

しかしながら、これまでは、知事が大きな方向を示すのではなく、課長クラスがやるべき仕事にのめり込んでいたのではないかと思わざるをえなくなってしまう。だから、「木を見て森を見ず」で、都政が混乱の極みに陥ったという印象を抱いた。

以上は、3日間働いた感想であるから、私が見落としていたり、勘違いしていたりする点があるかもしれない。しかし、都庁は、およそ行政機関としての体をなしていないのである。そして、その責任は、私の前任者たちにあると言わざるをえない。

この都政を立て直すべく、早速、予算の知事査定を行いながら、自由闊達に職員たちと政策の議論を行っている。私は、こと政策に関するかぎり、厳しく問題点を指摘するが、都庁の職員は、霞が関に劣らず優秀である。これは、少し議論すればすぐにわかる。まずは一安心である。しかし、次は官僚を超える発想を求めなければならない。緊張感を持って、私に対することを求めていきたい。

週末には、ソチに行き、IOCの方々との顔合わせをせねばならない。帰ると、すぐに議会である。毎日3〜4時間しか眠る時間がない日々が、選挙が終わっても続いている。しかし、都民に奉仕するという仕事に邁進できることは、喜びであり、一つ一つ課題を解決していくことほど楽しいことはない。

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