ソチ五輪開幕 残念!だけど専門家はこう見ている 浅田真央はキム・ヨナに勝てない

週刊現代 プロフィール

バンクーバー五輪後、いったんは一線から退いたヨナ。右足甲を痛めた影響や、ブランクを心配する声もあったが、1月に行われた韓国選手権で自身が持つ歴代最高得点に迫る227・86点をマーク。演技で雑音を封じ込めた。

「ヨナの魅力は男子顔負けのスピードとパワー、そして流れるようなジャンプ。彼女のジャンプはタメを作らず、スピードのある助走から一気に跳ぶから、見ていて非常にスムーズでダイナミック。着氷後の流れも素晴らしい。ジャンプの教科書と言っていい」(スポーツライター・野口美恵氏)

そしてこの質の高いジャンプがヨナの最大の武器となる。フィギュアでは、技を成功させることで入る「基礎点」と、「GOE」と呼ばれる技の出来栄え判定(±3点)を足したものが「技術点」となる。ヨナはこのGOEが高いのだ。

実際、バンクーバーのフリーでヨナはGOE合計で全選手中最高の17・40点(浅田は8・82点)の加点を得た。それが金メダル獲得の大きな原動力だったことは疑う余地がない。

164cm、47kgの肢体を存分に生かした表現力も大きな武器だ。

「ヨナは音楽の曲想をとらえるのがうまい。単に音とタイミングが合うのではなく、メロディだったり、ベース音だったり、楽曲全体が醸し出すニュアンスを演技に反映させることができる」(前出・野口氏)

安藤美姫と髙橋大輔をコーチしたニコライ・モロゾフ氏は「そこがヨナのストロングポイント」だと言う。

「フィギュアスケートは、他のスポーツと違って、観客を魅了しなければならない。そのためには女性としてのmaturity(成熟度)とか魅力が非常に重要になる。ヨナは女性としての魅力を最大限に出している。真央はどんなにきれいに滑っても、子供が滑っているように見えてしまう」

専門家の目は冷徹だ。現在の二人を比較すれば、浅田がヨナに勝つのは極めて難しいというのである。

ジュニア時代は真央が上

20日違いでこの世に生を受けた真央とヨナ。思えば、この天才少女たちが同時代に登場したことは、スケート界にとっても、二人にとっても奇跡であった。

5歳のとき、姉がスケートをする姿を見て習い始めたヨナは、「みんなが休んでいるときに休んだら世界一になれない」とクリスマスや正月でも一人、黙々と練習していたという。