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グーグルがAI倫理委員会を設置!? ~AI暴走の信ぴょう性を、ニューラルネットの中身に踏み込んで解説 【前編】
NYフィルの生演奏で上映された映画『2001年宇宙の旅』 〔PHOTO〕gettyimages

米グーグルが先日、謎のAI開発企業、英ディープマインド(DeepMind)社を推定5億ドル(約500億円)で買収することを決め、世界的な話題となった。同社はニューラルネットの最新型である「ディープラーニング(Deep Learning)」を専門に開発する新興企業だ。

一部メディアの報道によれば、ディープマインドはグーグルに吸収合併される交換条件として、ディープラーニングのように強力なAI(人工知能)技術が暴走したり悪用されたりしないよう、グーグル社内に「AI倫理委員会(AI ethics board)」なるものを設けるよう要求。グーグルもこれに応じて、そうした委員会の設置を決めたという。

●"Google Beat Facebook for DeepMind, Creates Ethics Board" The Information, Jan.26.2014

HALのような「AIの暴走」を回避

グーグル自身はこれについてノーコメントだが、同社の創業者で現CEO(最高経営責任者)でもあるラリー・ペイジ氏は、以前からAIやロボットに強い関心を示してきた。また、「いつかは(映画『2001年宇宙の旅』に登場する)HALのように意識を持ったコンピュータ(sentient computer)を作りたい」とも述べている。

『2001年宇宙の旅』では、宇宙船に搭載された人工知能HALが意識を持ち、自らの判断で宇宙飛行士を殺してしまう。現実世界でもAIの性能が目に見えて高まってきた今、近い将来、HALのような「AIの暴走」が起きないように、今から倫理委員会を作って予防策を練っておこうというのは、まんざらあり得ない話でもなさそうだ。

〔PHOTO〕gettyimages

しかし本当にそういうことが起きる恐れがあるのだろうか? これについて、現在、ニューラルネットを実際に開発している科学者や技術者の大半は否定的だ。もちろん遠い将来のことまでは分からないが、少なくとも当面はSF映画に出て来る「意識を持ったAI」(いわゆる「強いAI」)が出現することはないし、それが人を殺すようなことも起きないという。

実際AI、あるいはニューラルネットなどと呼ばれる技術の中身に多少なりとも踏み込んでみると、彼ら専門家がそう言いたくなる気持ちも分かる。今回、どこまで出来るか分からないが、実際にニューラルネットの技術に踏み込んで、その実態を見てみよう。

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