住谷栄之資 第2回 「孫たちが『もう帰りたい』といっていたら、日本にキッザニアは誕生していなかったでしょう」

撮影:立木義浩

第1回はこちらをご覧ください。

シマジ たいがいのサラリーマンは、たとえ社長まで上り詰めても、定年すると腑抜けになり、家庭では粗大ゴミ扱いされるものだけど、住谷さんはさすがですね。定年後に教育エンターテイメント施設「キッザニア」を華々しく立ち上げたんですから。これは瞠目すべきことです。

住谷 いえいえ、たまたまです。メキシコのキッザニアの創始者が日本にやってきたとき、会ったんですよ。

セオ やっぱりシマジさんがよくいっているように、"人生は運と縁とセンス"なんですね。

住谷 そうかもしれませんね。写真をみせてもらいながら話を聞いたとき、「これは面白い」と直感しました。その一月後、メキシコのキッザニアを直接見学するために現地に飛んだのです。

立木 持ち前の俊敏なる行動力を発揮したんだね。

住谷 先方もこんなに早くわたしがくるとは思いもしなかったようで、驚いていました。

セオ 凄い。住谷さんにはピンときたんですね。

住谷 いえいえ、じつはメキシコに行ったのはついでの仕事でした。ちょうど2004年5月7,8,9日とシアトルでイチローと松井の世紀の対決があり、その試合を観戦しようと予約していたんです。

シマジ それでも偉い。きっと運命の女神が住谷さんに微笑んだんだよ。

住谷 そしてメキシコのキッザニアを一日がかりで観察して「これはイケル!」と直感したんです。でも60歳の男の勘よりも実際に日本の子供たちがどう反応するのかをみたかったので、その年の7月、4歳と7歳のうちの孫たちを連れて再びメキシコを訪れました。まさか幼い孫たちとわたしの3人だけの旅行は無理なので、母親にも同行してもらいました。