急落する株価、過去最大の貿易赤字…「アベノミクスの誤算」で円安不況がやって来る!?

2014年02月11日(火) 町田 徹
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もちろん、交易条件(為替レート)の変化で円ベースの輸出金額は改善している(例えば、自動車は前年比で12.9%増の10兆4150億円)が、円安になっても輸出数量が伸びないという現実こそ直視すべきだろう。

「原発停止で原油輸入急増」説のウソ

輸入でも、4年連続の増加で81兆2622億円と過去最大を記録した輸入金額だけに目を奪われて、輸入数量に注意を払わないと実態が見えて来ない。

原油は典型的なケースだろう。よく言われるように、金額ベースで見ると輸入全体を押し上げている主役が原油なのは事実である。原油は前年比16.3%増の14兆2413億円に膨れ上がった。

ただ、安倍政権など原発再稼働論者が言うように、原発の運転を停止したため、代わりにフル稼働させている火力発電所の燃料がたくさん必要になっているというのは、乱暴な議論と言わざるを得ない。というのは、原油の輸入量は、2億1171万キロリットルと前年比で0.6%減少しているからだ。

これらのデータは、金額でも、量でも、ガソリンや航空燃料まで含んでおり、発電用の原油は金額にして2~4兆円程度とみられるが、重要なのはすでに輸入量の増加は2013年に止まっており、円安が進んだ分だけ支払いが増えているに過ぎないという実態だ。

つまり、輸入急増の元凶は、原発の運転停止ではなくて、アベノミクスが招いた円安なのである。筆者は、脱原発論者あるいは原発即時ゼロ論者ではないが、こうした実態をみると、輸入コストを理由にした声高な原発必要論には疑問を感じざるを得ない。

輸入に関して、もう一つ指摘しておかなければならないのは、輸入金額が2兆6782億円で、前年比24.6%増という高い伸び率を記録した通信機の問題だ。同じ通信機の輸出(前年比12.8%増の5316億円)から輸入を差し引くと、この分野だけで実に2兆1466億円の貿易赤字が発生したことになる。この赤字は、貿易赤字全体の18.7%、つまり2割近くを占める計算なのだ。

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