堀潤の「次世代メディアへの創造力」
2014年02月08日(土) 堀 潤

ハッピーさん(@Happy11311)インタビュー ~東京電力福島第一原発収束作業の現場から、作業員の訴え

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福島第一原発敷地内 がれきヤード (2012年9月、林哲哉撮影)
2011年3月の原発事故以来、過酷な収束作業の現場から作業の実態を一般に向け発信し続けてきた現役の原発作業員、ハッピーさん(@Happy11311)。事故発生から2年半でつぶやいた数は5000近くにのぼる。
収束作業は一体どの程度進んでいるのか? なぜ現場ではトラブルが絶えないのか?汚染水の実態はどうなのか? 作業員達はどのような心境で収束作業に臨んでいるのか? Twitterに寄せられる一般からの疑問にも答え続けてきた。
そうしたTwitterの内容を元にあらたに再編集し書き下ろした著書『
福島第一原発収束作業日記 3.11からの700日間』(河出書房新社)が反響を呼んでいる。東京都知事選挙でも、原発の是非は争点の一つだ。事故から間もなく3年。東電福島第一原発の収束作業員は今、何を思い作業を続けるのか---現場からの告発インタビューをお届けする。

フラットな目線で、今起きていることを何の意図もなく書いた

---ハッピーさんは、原発事故以来、現場の作業員としてtwitterで発信を続けてきた訳ですが、なぜ今回本にまとめることにしたのでしょうか?

きっかけは去年、2013年の2月くらいにフォロワーの皆さんから「書籍化してほしい」というリプライが届く様になったんです。「書いてよ」「残してよ」という声が次第に多くの方から寄せられるようになりました。

ルポ イチエフ――福島第一原発レベル7の現場』(岩波書店)の著者、布施祐仁さんに相談をしたんですね、「本の作り方を知らない」と打ち明けると、執筆作業から協力してくれました。

---執筆作業はどのように進められたのですか?

『福島第一原発収束作業日記 3.11からの700日間』
著者:ハッピー
⇒本を購入する(AMAZON)

去年の3月くらいから本格的に原稿に向き合い始めました。まず自分の過去のツイートを読み返すところから始めたのですが、ちょうどその頃って、原発のニュースがほとんどなかった時期なんですよね。2月、3月、4月。さも何もなかったかのような状況。しかし、5月に地下貯水槽の漏洩問題があって、ようやく報道がまた始まったんですよ。

その後は、放射性核種を取り除く装置、アルプスが稼働できない状況が続いたり、タンクの貯水能力が追いついていなかったり、イチエフからの汚染水が海に流出していることもみつかり、次第に盛んに報道されるようになっていったのですが、僕がこの本を書きはじめたころは、ニュース番組でもほとんど報じられていなかったんですね。

このまま全然報道されなくていいのかなと。忘れらさられて、もう収束作業は終わっているようになっちゃってんじゃないかと。それに、住民帰還のための警戒区域はどんどん解除されるし、除染もどんどん進んでいって返されちゃうし、今の段階、今の僕の頭の中では脱原発とか推進とか、今の時点で議論するというところまでいかないんですよ。

僕はもう、目の前というか、今携わっているイチエフの収束作業と、今の地元の人たち、避難している人たち、今後汚染されている区域がどうなっていくのか、どうしなきゃいけないのか、自分に何ができるのか、というのが一番で、その問題をどうするのかという、それ以上のことは考えられない状態なんですよね。だからそこをまず何とかしたい、と。

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