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空を飛ぶには軽すぎる

客室乗務員が暴露本

 負債総額2兆3000億円余―史上最高額の借金を踏み倒しただけでなく、公的資金という国民の税金によって救済された日本航空(JAL)。1月19日に会社更生法を申請して、「事実上倒産」した後、稲盛和夫会長のもと再建の道を模索している。

「JAL再生は、ひとえに人員削減できるかにかかっています。1万5600人もの社員を削減できなければ、赤字垂れ流し体質から脱却することはできない。
  ただ、稲盛氏は過去に"クビ切り"をやったことがないので、本人も会見で不安を漏らしていました。
  これが失敗すれば、破産手続きなどの清算型法的整理に移行する。この場合、JALは"二次破綻"し、会社は消滅します」
(全国紙JAL担当記者)

 そんな中、現役・OBを含めた複数の客室乗務員による著書『JAL崩壊 ある客室乗務員の告白 』(文春新書)が発売された。

 "倒産会社"社員たちのお粗末すぎる実態が、暴露されているのだが、その内容を一部紹介しよう(以下、< >内は著書からの引用。< >内の( )は編集部註)。

パイロットの生涯年収9億円

 同書によれば、CA(客室乗務員)たちから<勘違い集団><絶滅危惧希少価値動物>と呼ばれているというパイロットの生態は、こうなる。

 彼らの生涯年収がいくらかご存じだろうか。上場企業の一般サラリーマンが2億~2億5000万円なのに対し、なんと<9億円前後(ベテラン機長の年収を3000万円として計算)>。

 乗務員には「乗務保障」というものがある。毎月の乗務時間の多寡、病気や怪我で休むことで給料が変動すると生活に影響が出るため、たとえば30時間しか乗務していなくても一般乗務員なら65時間、管理職なら80時間分の給料が保障される。

 そのため、<80時間×2万円=160万円。もちろんこの他に、「基本給・家族手当」の他に各種手当がついて月給は200万円プラスアルファ>になるというのだ。ちなみにパイロットの世界的な平均年収は1000万円ほどというから、確かに高給だ。

 というが、「もっとほしい~」となるところが、希少動物たるゆえんらしい。

 そんな事例の一つとして、「送迎タクシーからのキックバック」が紹介されている。

 パイロットは乗務の際、空港まで原則としてタクシーを利用する。しかも会社指定のタクシーを使う必要はない。そこで、使ってもらったタクシー会社が、パイロットに「キックバック」を支払っているというのだ。

 千葉県のあるタクシー会社の場合、<キックバックは現金であったり、ビール券であったりしたそうですが、現金の場合、成田への片道1500円、羽田だと1000円だという話です。

 最近ではさすがに現金はまずいと思ったのか、例えば十回利用すると一回無料、プライベートの使用もOKと変更になったと聞きます>という。

 ちなみに<千葉県市川市から成田空港までは片道1万5000円程度>だから、キックバックは、料金の1割ほどになる計算だ。

 JAL再生が、コストカットの成否にかかっている以上、こうしたタクシー利用自体にもメスを入れるべきだろう。

 3月に入って、JALは早期退職者の募集を開始するとともに、件の乗務保障時間の短縮(65時間を50時間に変更など)を提案した。ただ、さっそく問題が発覚しているという。

「JALは福利厚生として、現役社員に国際線の往復航空券4枚(1割は自己負担)などを支給しています。早期退職に応じれば、それを退職した後も60歳まで配るという条件を提示しているというのです。JALへの債権を放棄した銀行や血税を投入された国民がこんな"過保護"待遇を知れば、ふざけるなという声が挙がることは必至でしょう」(前出・記者)

 乗務保障の削減についても、現在、交渉中で、組合がすんなり呑むかどうかはわからない。「稲盛氏は組合対応について『協力をお願いするしか策はないと思っている』と言っており、心もとない」(JAL社員)という状況なのだ。

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