オーマイグラス代表取締役社長・清川忠康
「伝統的なモノづくり産業を再生し、日本から世界規模のビジネスを自分の手で生み出したい」

81世代の起業家たち
清川忠康(きよかわ・ただやす)
オーマイグラス株式会社 代表取締役CEO

1982年大阪生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。大学在学中に1年休学し、米国に留学。慶応義塾大学卒業後、インディアナ大学大学院に留学し、会計学とファイナンスを学ぶ。帰国後、UBS証券投資銀行本部を経て、(株)経営共創基盤に参画。同社では、流通・小売、広告・メディア、ヘルスケア等の幅広い業種に対して事業再生や成長支援等をはじめとする様々なテーマのプロジェクトに従事。2009年、三度目の米国留学としてスタンフォード大学ビジネススクールに入学。在学中は、米中のスタートアップ企業の経営にも関わる。2年次在学中に現在の会社を創業し、代表取締役に就任。2011年6月にスタンフォード大学を卒業してMBA(経営学修士号)を取得した後、帰国。現在、メガネに特化したECサイト「Oh My Glasses」を運営し、世界有数のメガネ生産地である福井県鯖江市の中小企業と提携。従来通販は難しいとされてきたメガネのECを成功させて各種メディアから注目されている。

2012年に開設された国内最大級のメガネ専門の通販サイトOh My Glasses(オーマイグラス)。世界中の10,000種類以上のメガネの中から「運命の1本」を届けるために、自宅にいながら試着ができる、5日間返品無料など、これまでのメガネの購入スタイルを変える取組みをしている。

オーマイグラスを率いるのが、清川忠康氏(32)だ。

シリコンバレーの中心にある米スタンフォード大学のビジネススクールでMBAを取得した清川氏は、あえて「日本」で起業し、日本発で世界を目指す。

世界三大メガネ産地と言われる福井県鯖江市の伝統的なモノづくりに目をつけ、その販売経路拡大にこぎつけた。最盛期には1400億円あった出荷額が700億円以下までに落ち込んだ鯖江の地場産業の活性化に取り組んでいる。さらに、鯖江で丁寧なものづくりをしたいとの思いから、「日本で作る新しいTRADITIONAL」をコンセプトに、かつて欧米で作られた伝統的なデザインに新たな遊び心をプラスしたブランドNewTrad+omgを立ち上げた。

清川氏がシリコンバレーで見たもの、そこで描いた未来とは---

オーマイグラスは、2012年1月にオープンした、メガネ通販サイトです。メガネはかけてみないとわからないのでインターネットでなんか買わないよ、と言う方がほとんどかもしれません。オーマイグラスでは、返品無料送料無料や、試着サービス、全国約1,200店舗でのアフターサポートの提供などメガネ、サングラスに特化し、サービスを磨いていくことで多くの方に受け入れられてきました。

現在では、商品数約1万点、月間訪問者数は30万人を超え、月に1000本以上を売り上げる、日本最大級のメガネ通販サイトへと成長しています。

自分の人生を変えたシリコンバレーでの2年間

起業する直前までの2009年から2011年までの2年間、シリコンバレーのど真ん中にあるスタンフォード大学に留学していました。ここでの2年間が私の起業の原点になっています。シリコンバレーには起業家を生む風が吹いている、という言葉があるくらいで、スタンフォード大学でも、2年間いれば誰しも一度は起業家を志す、と言っても過言ではないほど、起業が盛んな場所でした。

私も例に漏れず、2年間の滞在を経て、起業することになるのですが、いくつかの原体験がありました。そのうちの2つをご紹介します。

1つ目は、Google会長エリックシュミット氏の授業です。スタンフォード大学では現役エグゼクティブが普通に教えているのも大きな特徴で、現役が教えるからこそ非常に実践的に毎回の授業は進んでいきます。授業の終わりにエリックは気軽に我々とランチをとってくれ、私もよく起業の相談をしていました。この授業を通じての彼とのやり取りは私を大きく起業へとプッシュしました。

「この授業の目的は、君達が起業をして、3年以内に100億円で会社を売却することだ。君達ならできる」

彼が授業の最初に我々に言った言葉は今でも脳裏に強く焼き付いています。

もう1つは、別の授業で一緒になったインド人2人組です。その授業の内容は簡単に言うと、3ヵ月間で実際にサービスをつくって、発表までしてください、というものだったのですが、この授業を通じての彼らの成長スピードには目を見張るものがありました。彼らは何もないところからたった2,3ヵ月ほどでIphoneアプリを作り、そのアプリは瞬く間に、テレビなどでも取り上げられ、全米で話題になっていきました。その後、彼らのサービスPulseは着実に成長を遂げ、2013年4月にビジネスSNSの世界最大手LinkedInに9000万ドル(約92億円)で買収されたのです。

このように身近に成功者がいることで、自分でもできるはずだ、と思いはじめ、起業へのモチベーションも日に日にあがっていきました。

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