社外取締役設置を「事実上の義務化」。法務相答弁で守旧派企業も遂に逃げ道がなくなった!

2014年02月05日(水) 磯山 友幸
upperline

安倍首相がそう外国人に大見得を切った以上、その後の国会審議の際に出てくる報道の見出しが「社外取締役の義務化断念」では困るわけだ。しかも、昨年1年間で15兆円も買い越していた外国人投資家が、年初から「売り越し」に転じている。安倍首相の改革姿勢に疑問符が付くようなことになれば、さらに日本株が売られかねない。株価の下落は支持率の低下に直結する。

法務大臣に「事実上の義務付けに等しい」とまで言われて、上場企業が社外取締役を拒絶し続けるのはもはや難しい、と言ってよいだろう。

現実にはここ数年、急速に社外取締役が普及してきた。日本取締役協会の2013年8月の調査では、東証1部上場1752社のうち社外取締役を1人以上置いている企業は1090社にのぼる。すでに全体の62.2%に社外取締役がいるのだ。

2013年6月に、それまで導入を強く拒んでいたトヨタ自動車が社外取締役3人の選任を決めたこともムードを一変させた。社外取締役の導入に反対してきた守旧派企業が総崩れになっているのだ。1年前の同じ調査では54.2%だったから、大幅に上昇したのである。

企業経営者からすれば、頭をひねって「置くことが相当でない理由」を考えても、株主総会で株主に批判を浴びせられる可能性が高い。それならば、さっさと社外取締役を選任してしまう方が楽だということになる。

成長戦略へ「緩い経営」許さぬ安倍政権

ダボスでの演説で、安倍首相はさらにこうも言った。

「来月中には、機関投資家に、コーポレート・ガバナンスへのより深い参画を容易にするため、スチュワードシップ・コードを策定します」

生命保険会社などが契約者の利益を第一に考えて、株主として行動するよう規範を定めるとしたのである。保険契約を取ることを第一に企業の株を持ち、大株主としては何も発言しない従来型の「物言わぬ株主」では、許されなくなっていくのだ。

自民党内ではさらに、欧州では一般的な「コーポレートガバナンス・コード」の策定を目指す動きも出始めた。

次ページ アベノミクスの成長戦略には、「…
前へ 1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ