サッカー
サッカーの世界では年齢なんて関係ない! 代表のユニホームを着たければ、クラブチームの競争に勝ち抜きなさい
〔PHOTO〕gettyimages

2014年最初の国際大会は、暗澹たる思いを運んでくるものでした。男子サッカーのU-21日本代表が、U-22アジア選手権でベスト8に終わってしまったのです。

出場国の多くは、22歳以下の選手でチームを構成していました。対して日本は、21歳以下の選手でチームを編成しました。

「ひとつ下の世代のチームなのだから、負けるのはしかたがない」と考える方がいるかもしれません。

それでは甘い、と私は思います。

「バランス」や「ポジショニング」よりも競り合う習慣を

2004年のアテネ五輪出場を目ざすチームの監督を任された私は、チームの立ち上げから間もない2002年秋にアジア競技大会に参加しました。男子サッカーは23歳以下の選手に出場資格があり、年齢に関係なく出場できるオーバーエイジも3人まで認められていました。五輪のサッカーと同じです。

レギュレーションどおりにチームを編成する国が多いなかで、私は21歳以下のチームで参加しました。オーバーエイジの力も借りませんでした。

大会を迎えるにあたって、私は選手たちに言いました。

「サッカーの世界では年齢なんて関係ないし、結果に関する言い訳にもならない。このチームでアジアの頂点を目ざすぞ」

結果は準優勝でした。当時としては、史上最高の成績でした。

決勝で対戦したイランには、直前のワールドカップに出場したフル代表の選手もいました。しかし、試合を終えた選手たちは銀メダルを獲得した喜びより、優勝を逃した悔しさに包まれていました。「この悔しさを糧にアジアの予選を勝ち抜き、アテネ五輪で結果を残すぞ」という思いが、チームの推進力となっていったのです。

2012年のロンドン五輪でベスト4に進出した関塚隆監督のチームも、2010年のアジア競技大会にひとつ下の世代で出場しました。そして、我々を上回る金メダルをつかみ取りました。

世界のサッカーを見渡せば、21歳以下でもトップレベルで活躍している選手がたくさんいます。そうした現状に照らし合わせれば、U-22アジア選手権の結果と彼らを取り巻く空気は、残念と言わざるを得ません。年齢を理由に慰めることは、成長の手助けにならないのです。

私が気になったのは、「ボール際の弱さ」でした。ヘディングで競り勝てない。シュートブロックにいけない。勝負を分けるボール際で、日本はことごとく負けていました。

ひょっとしたら彼らは、競り合う習慣がないのかもしれません。

近年の日本サッカーでは、「バランス」や「ポジショニング」といったものが重視され、「相手の懐に不用意に飛び込むな」という指導が幅広く浸透しているように感じます。バランスもポジショニングも確かに大切ですが、飛び込んでボールを奪うことも必要な個人戦術です。そして、「いつ、どこで、どのようなタイミングで飛び込むのか」は、失敗を通して学んでいくものでしょう。飛び込んで抜かれしまった教訓から、ボールを奪えるかどうかの境目を身体に刻んでいくのです。

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