高橋洋一「ニュースの深層」
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橋下市長の辞職・出直し選を機にあらためて問う。「大阪都構想」の何が問題か?

2014年02月03日(月) 高橋 洋一
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橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)は1日、市長を辞職して出直し選に立候補する意向を表明した。

政治的なことをいえば、大阪市議会で、大阪維新を除く、自民、公明、民主、共産が大阪都構想の区割り案に反対・慎重で、事実上、住民投票プロセスができなくなったので、その政治的な打開のために、大阪市長選挙に打って出たわけだ。

市長選挙なので、市議会会派の構成が変わるわけでなく、橋下氏が再び大阪市長になっても、住民投票ができるとは限らない。ただし、小泉純一郎氏の2005年郵政解散でも、参院で否決されたのに衆院を解散し、民意を問う形で、選挙結果によって参院の賛否をひっくり返したことがある。政治的には、どのような結果になるのか興味深い。

筆者は、一週間前の先月27日(月)、第3回大阪府知事・大阪市長による府市再編に関する有識者ヒアリングに有識者として出席した。そのときの、橋下市長のやる気をみて、もし住民投票前で止まるなら、死んでも死にきれないのではないかと感じた。はたして、橋下市長の信念が、大阪市民にどう響くのだろうか。

特別区のメリットを理解していない反対論者

そうした政治的な動きとは別に、都構想がどういう政策なのかを冷静に見ておくことが重要だ。

筆者は、有識者ヒアリングでは、東京都の経験を踏まえ、特別区の意義を説明したが、都構想に反対として高寄昇三・甲南大学名誉教授も意見陳述した。会議資料や録画映像は、大阪市のホームページにある。

筆者は、大阪では市営地下鉄だが、東京では都営地下鉄、大阪では市水道局だが、東京では都水道局、大阪では市立高校だが、東京は都立高校など、身近なもので大阪と東京に違いがあることなどを説明し、東京の特別区は、都と役割分担をして、うまく運営されていると言った。

NHKのニュースでは、筆者の意見は全く報道されず、都構想に否定的な立場の甲南大学の高寄昇三名誉教授の意見だけが出ていた。「大阪市を特別区に再編すれば、防災などの政策を進める上で複数の区長の合意が必要になり、都知事と意見が対立すれば、府市統合で目指す行政の一元化はかえって後退する」という問題点だ。

次ページ しかし、これは意味がない。筆者…
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